こうした株式分離課税(金融所得課税)の増税を言うと、途端に、証券業界や経済界から「株価が下落し、経済に悪影響」といった批判が出ます。
現に、21年秋の自民党総裁選。岸田候補がこの「1億円の壁」を訴えたら、株価が2万7千円台に急落。これが「岸田ショック」と称され、後に総理となった岸田さんが口に出さなくなった要因となりました。
しかし、この時の「急落」は、半年毎にある銀行や生保、損保等の「季節売り」であって、決して「増税」を訴えたことが理由ではないことが、東証のデータからも証明されています。それが上掲のパネルです。
税制の株価への影響は軽微、というのが市場の経験知で、株価は「先高感」で動く。麦わら帽子は冬の低価格の時に買って、夏の高価格の時に売る。これが「株式投資の鉄則」とされているのです。
現に、2014年1月から、株式分離課税は10%から20%に引上げられましたが、一時的に株価は下がったものの、半年後には元の水準に戻っています。
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