岸田首相、もう一人忘れていないでしょうか?
2023年2月 5日 tag: LGBT
岸田首相が、LGBTなど性的少数者への差別発言で総理の事務秘書官を更迭しましたが、もう一人忘れていないでしょうか?
長男の政務秘書官のことです。彼の問題の核心は、総理のお土産を買ったということよりも(こういう慣習も止めた方が良いですが)、総理滞在中の、猫の手も借りたいような超多忙の現地大使館をわずらわせて、自分の観光等に勤しんだという点です。
(今回の週刊誌への告発も、背景にはこうした事情があります。)
そもそも、総理外遊中の総理秘書官は超多忙です。早朝から総理の部屋で朝食をとりながらその日の対応方針や準備に追われます。首脳外交が終わった後も、深夜に及ぶまで対外発表要領の作成や総理会見、日本との連絡、帰国後の対応等に追われるのです。
そう、ほぼホテルと首脳外交の会場の往復で終わります。そんな時に、総理秘書官が一人で外出する、しかも自らお土産を買ったり、観光する余裕はないのです。外務事務当局はもっとひどく、徹夜の連続にもなります。
そう、要は、この長男秘書官には外遊中、仕事がないのです。暇だからこういう挙に出る。だから、外遊に随行する必要もありません。
そもそも「政務」秘書官が、岸田政権では二人いるのが異常なのです。もう一人は、私の後輩でよく知っていますが、嶋田さんという経産事務次官もやった大物(筆頭)秘書官です。だから尚更、この長男秘書官にはやることがありません。
ここまで説明すれば、皆さんもご推察のとおり、そう、彼の人事は明らかに後継にするための「箔付け人事」なのです。
超多忙な「孤独な首相」にとって、その性格や癖等を熟知した人間をお膝元に置きたいという気持ちもわからないではありません。しかし、そうなら、「総理秘書官」ではなく「総理秘書」という一般職員で官邸に入れるなど方法はいくらでもあるのです。
それをあえて、それなりに政治や行政の経験を積んできた者が就く「秘書官」という正式のポストに、かつ、歴代一人だった政務秘書官を一人増やしてまで任命した、というところに岸田首相の意図があるのです。
もう一度言います。長男秘書官も更迭すべきです。
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