本当のこと聞きたいなら江田けんじ⑦・・・悪夢のようなアベノミクス?/最悪のシナリオは『一気に国債暴落、金利急上昇で財政も経済も破たん
2022年6月19日 tag:
米FRBが15日、一気に0.75%利上げしましたね。通常の3倍の上げ幅です。パウエル議長は来月も0.5%~0.75%の利上げに言及、今年末には政策金利の中央値は3.375%と見通されています。一方で、日銀は「異次元緩和」を維持し続けています。
このように日米の金利差は今後も益々拡大していくでしょうし、ウクライナ危機も長期化の様相を呈しているので、今、日本経済を襲っている円安、インフレは、残念ながら、長期化を余儀なくされるでしょう。
だからこそ、金融政策の出番なのですが、それを使うに使えない状況に追い込まれていることは前回述べました。そのおさらいをすると、金利を上げれば、①借金の元利払い負担が増大、②日銀保有の国債が下落し、中央銀行の信認を毀損、③未だ浮揚しない景気が腰折れ、です。
そもそも、「異次元緩和」という「カンフル剤」は、1本打つからこそ効果があるのであって、それを9年間も打ち続ければ、その効果はどんどん減殺されていくし、むしろ副作用の方が大きくなる。金融政策の手足が縛られるのもそうですし、卑近な例で言えば、マイナス金利で地方銀行の経営も悪化(6割が減益)しています。
そう、黒田総裁も当初は政府に注文をつけていたように、「カンフル剤」で身体がシャキッとしている間に、必要な「体質改善(構造改革)」を行うべきだったのです。
しかし、それを怠ったのが安倍政権以降の自民党政権です。このアベノミクスの「第3の矢」(成長戦略)が飛ばなかったことは、「潜在成長率ゼロ」(日銀統計)が見事に証明しています。
そして、今や、日本経済は異次元緩和という「麻薬漬け」。株価や純利益等の数字を見れば、表向きは元気そうに見えますが、身体はボロボロ。まさに、「異次元緩和」という「砂上の楼閣」の上に立っているだけなのです。
安倍元総理は、国会で「悪夢のような民主党政権」と言い放ちました。私は当時の民主党政権を野党の幹事長として厳しく批判していた議員でしたが、こんどは、安倍元総理に「悪夢のようなアベノミクス」と申し上げたいと思います。
「悪夢」とは、何かのきっかけで市場が反応、一気に国債が暴落し、金利が急上昇、財政も経済も破たんしてしまうというものです。こうした最悪のシナリオは、是が非とも回避しなければなりませんが、その手立てはあるのか?ソフトランディングは可能なのか?その内々の検討を日銀は行っているのか?それとも永遠に国債を買い続けるのか?ETFはどうするのか?売却すれば、当然、国債だけなく株価も下落するでしょう。
もう、「臨界点」はとうに超えました。病気で言えば、治療の施しようがない「手遅れの病人」のようです。だからこそ、私はここ数年、国会等で何度も政府に警告してきたのです。後講釈で今、言っているわけではありません。しかし、聞き入れられなかった。その、すべての責任は、安倍政権以降の自民党政権にあるのです。
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