本当のこと聞きたいなら江田けんじ⑥・・・物価高に金融政策が使えない!/アベノミクス失敗の結果
2022年6月15日 tag:
円安が予想通り、進行していますね。それに対し、岸田政権は無策です。こうした金融政策の機能不全が続くと、円は140円を超え、150円近くまで安くなるかもしれません。
最大の問題は、通常、こうした円安やインフレ(物価高)が続くと、金利を上げて抑制するのが金融政策の基本です。しかし、今の日本は、アベノミクス失敗の結果、金利を上げるに上げられない、金融引き締めをしたくてもできない状況に追い込まれているのです。
そう、アベノミクスで「異次元緩和」を9年以上続けてきた結果、今や、日銀が引き受けてきた国債はなんと530兆円(GDP並み)!。金利を1%上げるだけでその元利払い(財政負担)は1年目0.8兆円、2年目2兆円、3年目3.7兆円(財務省試算)と増えていくのです。2%ならこの2倍です。
一方で、金利を上げると、日銀が持つ530兆円の国債価格が下落し「含み損」が拡大します。ちょっと古い数字ですが、2016年時点の財務省試算では、金利が1%上昇すると67兆円の毀損(当時の国債保有高400兆円ベース)、日銀は事実上の債務超過(自己資本9.7兆円)となってしまうのです。この中央銀行の信認の低下が、さらに円安を加速する。
インフレが昂進するのに、米国のように金利を上げるに上げられない。野放図な国債乱発が金融政策の手足を縛っているのです。さらに言えば、先進国で日本だけがコロナ前の経済に戻らない。そうした状況で金利を上げれば、さらに景気が悪くなるからです。
まさに「八方塞がり」!こうした「袋小路」に日本を追い込んだのはアベノミクスの失敗の結果だということは、ここではっきりと申し上げたいと思います。
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