本当のこと聞きたいなら江田けんじ④・・・アベノミクスの失敗で経済が成長しない
2022年6月 7日 tag: 成長戦略 潜在成長率 異次元の金融緩和 構造改革
給料が上がらない背景には、日本経済の生産性が上がらない、成長しないことがあります。その意味で、アベノミクスの第3の矢=「成長戦略」が完全に失敗した証拠が次のパネル。日銀の正式な統計です。
「潜在成長率」とは、中長期的な日本経済の実力、これからの成長可能性を示すものですが、ご覧のように、90年代は4%程度だったものが、15年前後では1%、そして直近では0%付近に張り付いてしまっているのです。
結局、「異次元の金融緩和」というカンフル剤で、身体がしゃきっとしている間に必要な「体質改善」(構造改革)を行うべきだった。しかし、その「第3の矢」が飛ばなかったということです。
最近では、カンフル剤の打ち過ぎ(ドーピング剤の飲み過ぎ?)で「身体はボロボロ」、「潜在成長率ゼロ」ということは廃人同然となっているということです。
それに対する処方箋の一つは、「基礎研究力」をつけるということです。
しかし、パネルをご覧のように、安倍自民党政権になってから、ガタッと「国立大学の運営費交付金」(国立大学の「血液」)が減らされているのです。なんと言っても基礎研究の原動力は国立大学ですからね。これでは一般経費にお金がとられ、研究に回す資金的余裕がなくなります。
その一方で政府は、「競争性資金」を増やしてきましたが(「10兆円の大学ファンドも同じ)、むしろ、欧米のような研究補助者も少なく、その申請等の雑務に研究者本人の手間暇がとられ、研究に割く時間が減っているという事情もあります。
こうした「悪循環」を早く解消しないと、日本の将来はありませんね。
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