カジノ(IR)は「成長戦略の目玉」どころか、「地域衰退への道」
2021年5月14日 tag:
【赤羽IR(カジノ担当)大臣との質疑から/5月12日】
①すでにカジノは過当競争、飽和状態。オンラインカジノの普及もあり、コロナ禍以前から続々倒産。コロナ禍では尚更のこと。あの最大手ラスベガスサンズですらカジノ売却を決定。
②順調にいっても、カジノは早くて20年代後半開業だが、コロナ禍で世界的にデジタル化が進んでおり、その頃は6G、バーチャルの時代。「3密」の「昭和モデル」(巨大施設に誘客し、3密状態でギャンブルを延々と続けさせるモデル)は通用しない。
③S&Pの格付けでは、ラスベガスサンズ他1社のBBB-(ギリギリ投資可)を除けば、カジノ企業の格付けは全て投機的格付け(投資にリスク)ばかり。こんなカジノが長期にわたって地域経済を支える担い手になれるはずがない。
④世界的潮流として、社会的責任(ESG)投資の観点から、ギャンブルの売上げ5%以上を占める企業には投資しない事例が増加。政府がSDGs推進を国策として推進する上で、「成長戦略の目玉」にカジノ(IR)を据えることは矛盾。
いずれにせよ、以前から指摘しているように、IR(カジノ)には「カニバリゼーション(共食い)現象)」。郊外型スーパーの進出により、過去、地元商店街が「シャッター通り」化したように、まるで「蟻地獄」のように地元、周辺地域の消費を吸い上げる。横浜で言えば、これまで元町商店街や中華街で買い物や食事をしていた客をIRに奪われるということ。
米国ニューハンプシャー州は、カジノ開業で周辺地域から40%~60%の「消費の吸上げ」が発生するとの理由でカジノ導入を断念した。IR誘致を進めている大阪府の報告書(「IR立地による影響調査報告書」/2017年)ですら、「24年にはIRに1348万人の観光客が吸収されることでIR以外の施設の来客が607万人減少する」。
これに加え、ギャンブル依存症(日本は320万人/成人3.6%。シカゴ大/カジノから80㎞圏内の依存症は2倍。韓国10人に7人が依存症に)の飛躍的増大、反社会的勢力と結びついた治安や風紀の乱れ、青少年の教育への悪影響等々の弊害があり、カジノ(IR)は、確実に「地域衰退」への道。
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