さようなら、安倍総理・・・今後のシナリオ(政局)
2020年8月29日 tag:
安倍総理が突然、辞意を表明した。その理由は、持病の悪化で正しい政治判断をすることが難しくなったからだという。
政治的立場は異なるが、まずは、総理という地位にある方をお側でお支えした経験のある者として、安倍総理にはご養生に努められ、一日も早いご快癒をお祈りしたいと思う。その激務は想像を超え、しかも、それが8年近くに及んだというだけでも大変な心労だったことだろう。そこに、持病とコロナが襲った。最近の安倍総理の精神状態は、前回の一次政権で政権を投げ出した時と同じような状態だったようだ。体調(持病)の問題とも相俟って、このコロナ禍で打った施策が思うような評価も得られず精神的に参っていたとも聞いている。
問題はこれからだ。政治の空白なきよう、すみやかに自民党においては新総裁を選出し、国会を開き内閣総理大臣を指名し、引き続き新内閣による所信、コロナ対応のための審議を行っていただきたい。
今後の政局、そのシナリオはどうか。野党の対応を検討するに当たっても、私の「独断と偏見」により想定してみたい。いずれも総裁選で「党員投票」がない場合を前提にしている。
(最有力シナリオ)・・・菅総理誕生。解散せず。
今回の総裁選は、二階・菅連合を軸に進む。岸田氏が意中の人だった安倍首相も、この連合が石破氏を担ぐことを恐れ「菅ちゃんで良い」。菅氏も「ワンポイントでも良いからやりたい」。最近のテレビ出演のはしごはその意欲の表れ。
この場合は、解散は限りなく来年秋の総裁任期切れ。管氏は「このコロナ禍で解散はない。コロナ対応を優先」。また、管氏の性格や地味さから、総理就任即解散はしない。一年間、地道に政権を運営し、人気が上がれば自分で解散、支持率が低ければ、辞職し、新総裁で解散。
(可能性が低いシナリオ)・・・石破総理誕生。秋解散。
今回の総裁選は「党員投票なし」。両院議員総会で選出。とすれば、議員数で圧倒的に劣る石破氏の芽はない。ただし、選挙を恐れる自民党議員が、派閥の領袖にまさかの反乱を起こせば、あり得ないシナリオではない。
この場合は、即解散もありうるが、石破氏が「憲法7条解散はしない」と言ってきた関係でその整合性が問われる。むしろ、この場合もない可能性の方が高い。
いずれにしろ、幹事長続投が至上命題の二階氏の思惑と、そのポストを保証する候補を軸に進むだろう。
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