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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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どこが「ウィンウィン」なのか!・・・日米貿易交渉が決着

2019年9月27日  tag:

 日米貿易交渉。私が三か月前から指摘してきたとおりになりました。その「合意」のザックリとした内容は、①農産品の関税引下げはTPP並み、②自動車関係の米関税は撤廃しない、③日本車への数量規制や追加関税はかけない、というものです。

 この合意がなぜ「ウィンウィン」なのか、私にはまったく理解できません。

 農産品についてTPP並みに譲歩するなら、自動車・部品について米国に「TPP並み」をのませるのは当たり前のことでしょう。そして、日本の鉄鋼やアルミには引き続き、「安全保障上」というわけのわからない理由で高関税がかけられている。

 トランプ大統領との「蜜月」や「過剰接待」を一概に批判はしませんが、ならば、それが国益に資したか否かが厳しく問われなければなりません。

 そもそも、この「合意」は、参院選に悪影響があるからと、今日まで発表を意図的に先送りしてきたのです。ただ、記憶されている方も多いでしょう。トランプ大統領が、5月27日の日米首脳会談後の会見で思わず、夏に「素晴らしい発表」と発言したことを。それを大手メディアは「合意もしてないことをトランプ大統領が言って安倍首相が困惑の表情」と報じましたが、それは本当のことをばらされた困惑だったのです。

 TBSの選挙特番(7/21)でも私は指摘しましたが、「トランプ大統領にはハッタリやウソが多いが、自分に有利になることには正直だ」と。それがこの内容だったのです。首脳会談直前のツイッターでもトランプ大統領は、「貿易交渉で大きな進展が見られた」「多くは7月の選挙後になる」とも書きました。さらに、安倍首相は4月の首脳会談で「大統領選までには形にする」(日経)と約束もしていたのです。

 そう、お互いの選挙に配慮し、国民の知らない所で国益に反する取引がされていた。5月末の首脳会談以降、日米協議は「交渉やってるふり」で良いということになっていた。そのシナリオはこうでした。

 参院選後に、農産品のTPP並み関税引下げで合意。その協定を秋の臨時国会で安倍政権が通せば、自動車の数量規制や関税賦課はしない。それが、当時、トランプの「自動車関税半年先送り」の真意だったのです。

 来年2月からの大統領選予備選までに、何としてでも具体的な成果がほしいトランプ大統領にとっては、とにもかくにも農産品の関税下げが必要不可欠という立場だったからです。それに米国関係団体の意向も、とにかく早期に、関税下げ幅はTPP並みで良いというものでした。

 問題は、TPP並みと言うなら、少なくともそこで、日本側要求である自動車や部品関税の撤廃まで踏み込むべきでしょう。そうじゃないと「数量規制」や「追加関税」という「脅し」で米国だけを利することになります。米国側の「脅し」を撤回したからといって、日本には何のメリットもありません。しかも、日本の鉄やアルミには引き続き「追加関税」をかけられているのです。これを安倍首相が撤廃するよう求めたという話も聞きません。

 今回の「合意」を受けて、関係各方面から早速「太鼓持ち」のコメントが発せられています。典型が、「「日米貿易関係の安定的な発展につながりうるバランスの取れた合意に達したことを歓迎する」(中西経団連会長)、「双方の産業競争力強化に資する、互恵的な内容となった」(桜田経済同友会代表幹事)という発言でしょう。こうしたコメントは、官邸から事前にすり合わせの要請がきて、調整した上で発言するのが、今の安倍官邸と経済界との関係だからです。

 安倍政権も長く続いてきて、とにかく何を言われても、批判されても、開き直って強弁すれば、それで問題はすり抜けられるだろう。そういった風潮が蔓延していることを憂うるのは私一人だけでしょうか?

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