第五章 有史以来、賭博、博打はご法度。カジノは日本の国柄か?/市民を欺く市長は絶対に許さない!/「カジノ横浜誘致」を断固阻止する市民運動を起こそう!!
2019年9月 2日 tag:
カジノ。賛成、反対、それぞれの立場からの理由はあるだろう。しかし、その「根っこ」には、日本の「国柄」「国の有り様」「国の品格」というものをどう捉え、どう考えるのか、政治家や人それぞれの「感性」の違いがあるのではないだろうかか?
カジノは「バクチ」「賭博」「ギャンブル」だ。一体こうしたものが、日本の悠久の歴史、伝統、文化というものに照らしてどうなのか、それにそぐわない、その「美風」に反するものではないのか、といった本源的な問いかけを避けて通るわけにはいかない。
安倍首相も、最近はつとに口に出さなくなったが、第一次政権時には、国会演説等で「美しい国・日本」を目指すとして、「世界に誇りうる美しい自然に恵まれた長い歴史、文化、伝統を持つ国」「四季折々の風景、伝統が織り成す技や文化、日々の生活の中にある日本の美しさ」「その静かな誇りを胸に、今、新たな国創りに向けて、歩み出すとき」としていた。私は安倍首相とは、その政治理念や多くの基本政策で立場を異にする政治家だが、この点だけは首肯しうると考えていたものだ。カジノは、その「美しい国」にふさわしいものなのか。
そう、古来、日本では「賭博はご法度」とされてきた。7世紀、持統天皇の「すごろく禁止令」以来、1300年の歴史があるという人もいる。どうしても賭博は、この日本で、「裏社会」「闇の世界」「社会の暗部」で生息してきたことは否めないだろう。それを堂々と表に出して「やれ、経済成長だ!」「観光立国だ!」ということに、大いなる違和感を覚える人が俄然多いというのが現実なのだ。
それは、カジノ解禁に対する各種世論調査をみれば一目瞭然だ。どの調査をとっても、見事に、賛成は20%前後、反対は60%前後なのだから。「カジノ反対理由」についても、多くの人が、「治安が悪化する」「青少年に悪影響がある」「依存症が増加する」「反社会的勢力の資金源となる」等をあげている。「カジノに行ってみたいか」との問いには、「思わない」が四人に三人、「行ってみたい」は五人に一人にとどまる。
私は、二年前の横浜市長選に自前の候補者を立て、身銭を切って「カジノを争点化」して戦ったが、その時の地元紙(神奈川新聞)の調査でも同じ傾向だった。65.2%が反対で、賛成は22.7%だ。一昨年の衆院選時でも68.0%が反対 賛成は24.5%だった。
興味深いのは、カジノ解禁に対しては、全世代、全党派、男女とも、反対が圧倒的多数だということだ。そして、世代が上になるほど、女性ほどその傾向が顕著になる。男性では反対が56.9%、賛成が24.2%。女性では反対が66.1%、賛成がたったの8.1%。年代別では賛成(24.6%)が一番多い30代でも反対が52.4%。60代では賛成(10.4%)が一番少なく、反対が71.6%だった。自民党支持層に限っても、賛成が29.8%、反対が44.4%なのだ。
また、めずらしく全国紙すべてが、基本法審議の頃は、カジノには反対または慎重だった。例えば、読売は社説で「他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全」「深刻な副作用を踏まえ再考せよ」。産経も「多くの疑問を残したまま駆け込みで事を進めている」「懸念解消を先送りするな!」「国の無責任さ見過ごせぬ」。日経も「拙速なカジノ解禁は問題が多い」。安倍政権には日頃優しい?読売、産経までが、カジノ解禁には厳しい論評をしていたのだ。
このように、多くの国民が反対し、すべての大手メディアが多くの疑問を呈する中、それでも、安倍政権、与党・自民党は、刑法上の犯罪であるカジノを有史以来、はじめて合法化したのだ。
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