第三章 人の不幸を踏み台に経済成長?観光立国?・・・①カジノは一時的な経済効果よりマイナス効果が大きい!/市民を欺く市長は絶対に許さない!/「カジノ横浜誘致」を断固阻止する市民運動を起こそう!!
2019年8月27日 tag:
それでは具体的に、政府の主張するカジノの効用も含めて、そのメリット、デメリットについて、具体的に論じていこう。
まず、その「経済成長」効果だ。林横浜市長も、その効果を「獲らぬ狸の皮算用」のように高めにはじいている。カジノ(IR)をつくれば、一時的に建設投資等でGDPに寄与するのは当たり前のことだろう。しかし、賭博は所詮、人から掛け金を巻き上げる「ゼロサムゲーム」。儲かる人がいれば、必ずその分だけ損する人がいる。付加価値を産み出さないのだ。
そして、ギャンブル中毒(依存症)になれば、家庭内暴力や離婚で家庭崩壊、一家離散、はては自己破産、自殺等々の悲惨な現実が進行していく。その対策経費、救済経費も莫大なものになるだろう。韓国では全部で7.7兆円の損失という試算もあるし、米国ニューハンプシャー州の報告では、その社会的コストは「病的ギャンブラー」1人当たり5144ドルという推計もある。
こうしたカジノが生み出す負の側面、コストも踏まえた総合的評価が欠かせないのに、政府は全くそういう評価やシミュレーションすらしていないということが一連の国会審議で明らかになった。これではとても「カジノGO!」という判断はできないはずだ。ちなみに、横浜市長も会見でこの点を突かれ、まったく答えを持ち合わせていなかった。
政府が目指す「観光立国」には大賛成だ。しかし、なぜ今、外国人観光客が増え続けているのか。それは日本の伝統、文化、豊かな自然、他の国にない、その魅力に惹かれてのことではないのか。観光庁の調査でも、「日本食」や「温泉」、「古民家が建ち並ぶ町並み」などが外国人がとらえる「日本の魅力」となっている。何も、どこの国にもあるカジノに頼る必要はない。「観光立国」を目指すなら、日本らしい魅力とポテンシャルを活用していけば良いのだ(続く)。
(外国人観光客の増加)
2012年836万 2015年1974万 2016年2404万 2017年2869万 2018年 3119万
(人気の高い景勝地)
・飛騨高山(人口5倍の外国人が訪れる。古い町並みや里山、田園の風景を好む。「飛騨里山サイクリング」では参加者の80%以上は外国人旅行者)
・新倉山浅間公園(山梨県富士吉田市。五重塔と富士山のコントラストが人気)
・高野山奥の院(外国人観光客が毎年増加。浮世と全く違う幻想的な時間が流れている。特に西洋人にとって神秘的。スピリチュアルな場所として人気)
・白谷雲水峡(屋久島町。原生林に覆われ、苔むす幻想的な雰囲気が人気)
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