「星雲の志」を貫け!・・・新人官僚の諸君へ
2018年4月 4日 tag:
官僚は何も「天下り」がしたいと思って入るのではない。今年の新人の皆さんも「星雲の志」をもって入ったはずだ。
私が通産省に入省した1979年、お世辞でも「政治は三流でも官僚が一流だから日本はもっている」(桜田日経連会長)と言われた時代だった。少しでも国民の役に立とうと思えば、迷わず、政治家よりも官僚を選ぶ時代だった。
しかし、その「星雲の志」は、管理職になる頃から「省益」「組織防衛」に変わっていく。「大蔵一家」「通産一家」と称されたように「80歳まで人生安泰(天下り)システム」を守るために、団体を作り、そこに補助金(給料分)を出して専務理事を送り込む。そうした「政策」よりも「権益」を拡大した官僚が評価され、出世街道を歩むことになるのだ。
私は、こうした「光景」を総理秘書官として直接見てしまった。まだ年端がいかない40歳前後だったが、「行革の嵐」が吹き荒れる中、総理のお側で、各省庁の事務次官や局長らが「あれもできない」「これもできない」と組織防衛に走る姿を見るにつけ、もうこの組織にはいられないと思った。
それが、私が政権が終わると同時に、総理に直接辞表を出して、官僚人生を閉じた最大の理由である。そこに一瞬の迷いもなかった。
新人の皆さんには、今日の「星雲の志」を最後まで貫いてほしい。
「安倍首相「高い倫理観を」=新人公務員研修で訓示」
中央省庁で政策立案に携わる国家公務員総合職の新人職員を対象とした合同初任研修が4日、東京都内で始まった。財務省の決裁文書改ざん問題で行政への信頼が揺らいでいることを受け、安倍晋三首相は開講式で「国民の信頼を得て負託に応えるべく、高い倫理観の下、細心の心持ちで仕事に臨んでほしい」と訓示した。
首相はまた、「自分の省庁だけを見て政策課題を解決できるような時代ではない。この場にいる仲間との絆を大切に、オールジャパンで政策を考えて」と強調。「高い誇りを持って、批判を恐れず大きく前に踏み出し、果敢に挑戦してほしい」と激励した。その後、新人公務員の代表者が「国民全体の奉仕者としての自覚と責任を持ち、初心を忘れず、誠実に職務を遂行する」と決意を表明した。(時事通信18年4月4日)
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