文部科学省の組織ぐるみの違法な天下り・・・ザル法の穴を塞げ!
2017年2月15日 tag:
文部科学省の組織ぐるみの違法な天下りが明るみに出ましたね。そこに官僚トップの事務次官や中枢の人事課までが介在していた。文科省と言えば、教育に責任をもつ役所ですから、その責任、罪は限りなく重いと思います。
これまでも官僚の不祥事は幾多もありました。象徴的だったのは90年代、「官庁中の官庁」と言われた大蔵省(現財務省)の過剰接待スキャンダルでした。そう言えば、「○○しゃぶしゃぶ事件」というのもありましたね。当時は、その責任をとって、将来の次官を嘱望された幹部官僚が続々と辞表を出した。東京地検特捜部も大蔵本省に「ガサ入れ」し、キャリア官僚までが逮捕された。
それ以来、霞が関では官民接待禁止をはじめとした「倫理規程」の制定や「天下りのあっせん禁止」等の公務員制度改革が行われました。が、結局「ザル法」だったことが判明したわけです。
当時から私は、こうした法の網をかいくぐる「裏天下りシステム」を指摘していました。現職職員が「あっせん」をすると違法になるので職員OBを介して行う。今回の事例が典型的です。再就職情報に精通している人事課OBを通じて多くの官僚が天下っていた。それを歴代人事課長や事務次官までが許容していた、いや活用していた!
これは「氷山の一角」でしょう。しかし、安倍総理は「全省庁調査を命じた」「必要なことはは何でもやる」と言いながら、その期限も調査のやり方も公開しない。こんな身内の「お手盛り調査」では国民は誰も納得しないでしょう。そこで民進党は、私が座長を務めるチームで独自調査を行っています。
2008年以降、役所を離職後30日以内に再就職した例が約3千件、離職当日や翌日の再就職も約1300件あります。こうした短期間に再就職した事案には「裏あっせん」や「現職時の求職活動」が疑われます。また、地方の財務局や税関を15年7月1日に退職した60人のうち、40人の再就職日は同年9月1日と横並び。ここには組織的なあっせんが疑われます。問題なのは、こうした金融検査や通関業務を行っていた職員が、その監督先の金融機関(信用組合等)や物流、倉庫会社に天下っていることです。
それにしても、法律違反を犯した事務次官が「依願退職」で6000万円近い退職金を受取るのは国民感情からしてどうなのでしょう。これでは、やっぱり官僚は「別世界の住人」「特別待遇」と益々信頼を失うのではないか?前川次官に少しでも「矜持」があるのなら、少なくとも「自主返納」すべきでしょう。
大事なことは、今後の再発防止策です。OBによる「裏天下りシステム」を、再就職等監視委は「OBを道具として使った現職のあっせん」と認定しましたが、そうした脱法行為を防ぐためにも、法律で明確に禁止すべきです。また、今は懲戒処分だけですが、あっせん禁止違反自体に刑事罰をかける、違法な天下りを受け入れた方にもなんらかの制裁を与える。例えば、入札談合なら入札停止という処分もある。ある一定期間、補助金等の予算を停止する等の措置もあっていいでしょう。
一生懸命働いている官僚も大勢います。それが今回のことでまたその信用が地に落ちた。信頼回復への道は遠いとは思いますが、そのためにも徹底的に膿を出し切ること、望んでも無理なのかもしれませんが、官僚組織が自ら自浄作用を果たすことが必要でしょう。
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