「身を切る改革5法案」を今国会提出へ・・・民主・維新で合意
2016年1月18日 tag:
維新の党の原点=「身を切る改革」が先週(1月13日)、大きく前進しました。維新の党が求めてきた、議員や官僚が「身を切る改革5法案」の国会提出を、民主党との間で合意したからです。
今回提出に合意した「身を切る改革5法案」は次の通りです。
(1)国家公務員への労働基本権付与と人事院勧告制度を廃止する法案
(2)国家公務員総人件費2割削減を目標とした法案
(3)企業団体献金(資金集めパーティーを含む)を禁止する法案
(4)文書通信交通滞在費の使途を公開する法案
(5)衆議院議員定数削減法案
また、議員歳費(給与)カットも両党で検討を始めることで一致しました。幹部公務員の天下り禁止厳格化や昇給制度見直しに向けた指針を策定することも決めました。
正直言えば、当初、民主党は「国家公務員総人件費2割削減」や「文書通信交通滞在費の公開」等には消極でした。しかし、双方が歩み寄り、自民党には決してできない「改革」に舵を切ったのです。「企業団体献金の禁止」についても、自民党は禁止どころか、経団連に要請して「企業献金のあっせん」を再開させました。また、従来からその「抜け道」とされてきた「資金集めパーティーの禁止」にまで踏み込めたのです。
昨年末(12月11日)の民主党との統一会派合意でも、今回の内容は盛り込まれていましたが、この「身を切る改革」の中核部分について、法案提出にまで踏み込んで合意を引き出した意義は大変大きいと思っています。なぜなら、将来、民主・維新が国政選挙に臨む時には、さらに政権をとった暁には、これがそのまま「政権公約」となるからです。
ただ、この結論を下すに当たっては、今回の人事院勧告をそのまま認め「給与関係法案」に賛成することにつき、党内に異論もありました、しかし、憲法で保障された労働基本権が公務員に与えられていない現状では、その代償措置として、第三者機関たる人事院による勧告があり、政府としてはそれを最大限尊重すべしとされています。最高裁判例によれば、それを複数年度にわたって無視することは許されないとされており、「ただ反対」の万年野党ならともかく、政権を目指す責任政党であるならば、毎年反対を続けることはできないという結論に至ったのです。
ましてや、安倍政権が違憲の安保法制を強行・成立させ、今こそ、「立憲主義」「憲法の遵守」が求められている時はない中、それを訴える政党として、憲法違反の疑いのある人事院勧告無視という行動に出ることは適当ではないという理由も背景にありました。
いずれにせよ、「給与法に反対」→「ただし与党の圧倒的多数で可決成立」→「そして何も残らなかった」ではなく、「給与法に賛成」→「民主と身を切る改革5法案提出」→「政権獲得後実行」という道を今回選んだということです。維新の党が「原点を捨てた」との批判がありますが、「ただ単に賛成」で終われば、そうした批判は甘受しますが、以上述べたとおり、維新の公約がより実現に近づいた以上、まったく当たりません。
根本的な問題は、国の財政赤字や経済状況を一切考慮せず、民間の大手黒字企業(事業所の規模50人以上。事業所総数の上位1%)と公務員給与を揃えるという人事院勧告制度そのものにあります。この解決に向けて、民主党と合意した「人事院勧告制度の廃止を盛り込んだ法案」を提出し、同時に、労働基本権を公務員に付与し、民間と同様に、労使の自律的な交渉により給与や待遇の決定を行う、こうした制度を、政権をとった暁には是非実現し、「国家公務員総人件費2割削減」を実現していきたいと思っています。
そう言えば、国家公務員の給与を7.8%もカット(年間50万円規模)したのは民主党政権時代でした。これからも、民主党が維新の党と組んだことにより、改革が前進したという評価を国民からいただくことで、民主党も「改革政党」に是非戻ってほしいと心から願っています。
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