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なぜ「世間の常識」が通用しない!・・・文書通信交通滞在費の使途公開

2015年3月23日  tag:

 国会議員一人当たり月々100万円、年1,200万円もの税金が、その使途も公開されないまま使われています。これが「文書通信交通滞在費の闇」と言われる実態です。あの「号泣県議」の政務活動費の不正使用が暴かれたのも、その使途の公開義務があったからこそです。国会議員のそれも同様に扱われるべきでしょう。


 維新の党は、すでに文書通信交通滞在費の「使途公開法案」を国会に提出し、自民党、民主党はじめ各党各会派に働きかけていますが、残念ながら今のところ前向きな回答を得られていません。


 国会、予算委員会でも、私は執拗に安倍首相に迫りましたが、「民主主義の根幹、その政治活動にかかるコストをどう賄うかについては各党各会派で議論、協議してほしい」と「壊れたテープレコーダー」のように繰り返すのみです。「わかりました、そうなら、自民党総裁として自民党の幹部に議論しろと指示してください」とお願いしても、「それは国会でお決めになること」と、これまた繰り返すのみです。


 しかし、今さら、一体何を議論する必要があるというのでしょうか? 衆院議長の諮問機関「衆院改革に関する調査会」(瀬島龍三会長)は、もう10年以上も前(2001年11月)に、文書通信交通滞在費については「領収書等を付した使途の報告書の提出を義務付け、報告書を閲覧に供するべき」との答申を出しています。諸外国も当然のことながら公開しており、米英では領収書添付の申請書で払戻し、独では議員が決算書を提出し会計検査院が検査することになっています。民間会社でも、経費は領収書付きで請求しないと払い戻されないのは常識でしょう。


 にもかかわらず、この「世間の常識」が通じないのが国会、永田町の世界なのです。自民党の谷垣幹事長は「適正に使われているので公開する必要はない」と記者会見で述べましたが、これで納得する国民が一人でもいるでしょうか? それでも頑なに公開を拒否する理由は何なのでしょうか? そう、この文書通信交通滞在費は、国会議員にとっては使い勝手の良い「第二の給料」となっているのです。議員の給与は年間2200万円、それに加えて1200万円の「使途不明金」です。これで国民に増税や社会保障費の削減を訴える議員の神経が信じられません。


 維新の党は、何も口先やパフォーマンス、スタンドプレーで使途公開を主張しているわけではないのです。既に使途公開法案を国会に提出し、引き続き法案成立に向けて努力してまいりますが、他党が反対で成立しなければ公開しないではなく、維新の所属議員は、既に党のホームページで、領収書も含め、その使途を公開しています。何分、根拠法たる歳費法等に明確な使途についての規定もない中での試行錯誤的な公開ですので、今後、皆さんからのご意見、ご批判等があれば、それらを踏まえ、さらにより良い公開制度にしてまいります。 


 「維新の野郎、余計なことをしやがって」と白い目を向けられている、四面楚歌の国会で、こうした議員の「身を切る改革」を実現するためには、メディアや国民の皆さんの「後押し」が必要不可欠なのです。特に、メディアの皆さんに世論を喚起していただいてはじめて、「世間の常識」が通用しない国会を覚醒させることができるのです。ご理解ご協力を心からお願い申し上げます。

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