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来年度予予算案、衆院通過・・・「これではね」と維新は反対票

2015年3月17日  tag:

 先週金曜日(3月13日)、来年度予算案が衆院を通過しました。維新の党は反対しましたが、その理由は以下のとおりです。


 まず、閣僚を中心に「政治とカネ」スキャンダルが続々と起こりましたが、結局、それには一切「けじめ」をつけずに終わりました。維新の党も、こうした「スキャンダル追及」はしたくないのが本音ですが、一方で「看過」するわけにもいきません。政策論争は存分にしながら、民主党とは違って、必要最小限の「追及」はさせていただきました。


 しかし、そもそもこうした問題を招来したのは安倍首相本人です。問題が指摘された閣僚にはしっかり説明責任を果たさせる。「辞めたら終わり」ではなく、辞めた後も一政治家として政倫審等で説明責任を果たさせる。それを自民党総裁としても指示する、といったことがあってもよかったのではないでしょうか? しかし、全くその気が安倍首相にはありませんでした。


 予算案の中身に入ると、国民に負担増や社会保障費の抑制をお願いしながら、議員や官僚が「身を切る改革」(給料や定数カット等)をまったくやりません。それどころか真逆の給料アップをする。ご存じない国民の方が多いのですが、昨年4月、消費税を5%から8%に増税した、その翌月に、国会議員の給料は、月額で26万円、年額で421万円アップしました。国家公務員も月額3万円、年額51万円のアップです。こんなことは「世間の常識」ではとても考えられないでしょう。


 また、公共事業のバラまきや「基金」への「ブタ積み」で税金のムダ遣いをしながら、予算の重要な役割=「所得再分配」、すなわち社会的弱者への配慮も極端に薄い。私が予算委で指摘したように、例年5兆円規模だった公共事業は、今や、安倍政権になって10兆円!(決算ベース)。しかも、そのうち3兆円~4兆円を「消化不良」で使い残していると言うのですから、開いた口が塞がりません。おびただしい数になった「基金」には、貴重な国民の税金が使い途もなく積みあがっているまま。私が「ブタ積み」と称している所以です。来年度は、このうちのごく一部、3000億円が国庫に返納される予定です。これでは、一体、何のための消費増税だったのでしょうね。


 「社会的弱者への配慮」といえば、来年度実施予定だった「低年金者への月5000円の給付金」や「年金保険料納付期間の短縮(25年→10年)」、「低所得者への介護保険料軽減措置」等が、消費増税10%の先送りととともに、同じく、「先送り」されました。しかし、この施策にかかる予算額はたったの7300億円(通年ベース。来年度は2200億円)。公共事業のバラまきや「基金」への「ブタ積み」をやめれば、ゆうに捻出できる財源です。こうしたところが安倍自民党政治の限界でしょう。アベノミクスの「果実」を国民各層に均てんするという意識があまりない。


 以上の結果、来年度予算は、史上最大の歳出規模(96兆3000億円)で、2020年度に向けた財政再建への道筋もついていません。これでは、とても予算案には賛成できません。

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