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当面する政策三課題の党方針を決定!③自衛権に関する見解

2014年10月14日  tag:

1. 現状認識

 現在、世界をめぐる国際情勢・安全保障環境は複雑さを増している。国際社会のパワーバランスが変化する中、アジア太平洋地域の重要性が急速に高まり、地域の平和・安全を確保する基軸としての日米同盟の意義は益々重くなっている。特に北東アジア地域では、大規模な軍事力を有する国などが存在する一方、国際社会が懸念する中で核開発を強行する国家も存在し、領域主権や権益等をめぐる対立も見られる。国家間の相互依存関係が拡大・深化する中、このような不安定な状況は、我が国の平和と無関係ではなく、即時に国民の安全に重大な影響を及ぼし得るものとなっている。


2. 「自衛権の再定義」が必要

 維新の党は、我が国の領土・領海・領空、国民の生命・財産を守るため、平和主義を掲げる憲法の理念を踏まえながらも、現実的に出来うる限りの対応をしていく。 とりわけ、より即応性が求められる昨今の核・ミサイル技術の進展等を含む安全保障環境の変化に応じ、「自衛権の再定義」が必要だと考える。


 従来からの日本政府見解では、自国に対する武力攻撃が発生したか否かで個別的および集団的自衛権を区別し、憲法で認められるのはこの定義に沿った個別的自衛権のみとしてきた。


 他方、憲法に定められた日本国民の平和的生存権や生命、自由及び幸福の追求権の趣旨を鑑みれば、仮に、我が国が直接的に武力攻撃を受けていない状況下であっても、密接な関係にある他国に対する攻撃の結果、我が国に戦火が及ぶ蓋然性が相当に高く、国民がこうむることとなる犠牲も深刻なものになる場合には、それを阻止し我が国を防衛するために「自衛権」を行使することは憲法解釈として許容されるものと考えられる。これを「自衛権の範囲の明確化」、すなわち「自衛権の再定義」と呼ぶ。


3. 「自衛権」行使における歯止め

 ここで再定義された現行憲法が認める自衛権は、純粋な他国防衛のための自衛権の行使を認めるものではなく、国連決議もない他国の戦争に加わることに道を開くものでは断じてない。


 本定義に基づく同盟協力の具体的見直しも必須であるが、まずは自らを守る体制の整備と、外交努力や信頼醸成による脅威の低減に率先して取り組むべきである。とりわけ島嶼防衛等における武力攻撃に至らない侵害への対応、いわゆるグレーゾーン事態への対処は、喫緊の領域警備の課題として取り組む必要がある。また、再定義された自衛の措置が、国連による集団安全保障に移ったとしても認められよう。


4. 憲法保障と法制度の整備

 維新の党は、再定義された自衛の措置に関しては範囲の拡大や濫用を防ぐべく歯止めを掛け、憲法の制約と安全保障の要請を精緻に判断した上で包括的な法整備に取り組むこととする。


 なお、三権分立の確立と憲法保障の観点から、憲法の解釈に際しては憲法裁判所もしくは最高裁判所の憲法部等の抽象的な憲法判断を担う司法機関によることが本来必要であり、維新の党はその実現に邁進する。


 いずれにせよ、現行の枠組みにおいては、国権の最高機関である国会において、責任ある議論を行っていく。

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