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当面する政策三課題の党方針を決定!①更なる消費増税について

2014年9月29日  tag:

 今日から、いよいよ、長い長い夏休みをへて、臨時国会が開会される。先週、発足したばかりの維新の党としても早速正念場の国会となる。どの新組織でも同じだが、スターダッシュが肝心だ。


 今日は、14時から衆院で安倍首相の所信表明演説。日を置かずして(異例。通常は質問準備のため一日置く)、明日は代表質問だ。自民、民主の次、三番バッターとして、私が党を代表して質問に立つ。おかげさまで、35分間という長い質疑時間をいただいた。


 そこでは、「維新」とは「維れ新たなり」=「イノベーション」=「社会経済政治システムの大変革」なんだということを、そして、それをしがらみのない立場から、既得権益を打破してやっていくんだ、という決意を述べたいと思う。


 そうした中、先週金曜日、党として足並みをそろえて国会論戦に臨むべき主要政策三課題について、維新の党として正式に統一見解をまとめた。新党合流前から、両党の所属議員が侃侃諤々の議論をしてまとめあげてくれたものだ。もちろん、党の執行役員会の承認も得ている。今日はまず「更なる消費増税」に対する見解を披露しよう(以下「党見解」)。


 今後の社会保障経費の増大等に応じて、いずれ消費税増税が必要となりうることは否定しないが、このタイミングでの更なる増税には反対する。政府・与党ともに「増税の前にやるべきことがある」。


1. 更なる増税に堪えうる経済体力にない

 国家運営は、既定路線を単に踏襲するのではなく、時々の状況変化に応じて臨機応変に「経営判断」するのが基本である。


 その意味で、8%への増税後の経済指標をみると、4~6月期の大幅な反動減(年率▼7.1%・大震災直後以来)に加え、7月の家計調査では、安倍政権が6月にボーナスが出て上向くとしていた消費も、10カ月連続サラリーマン世帯の実質収入が大幅に低下(▼6.2%)、増税と物価上昇で世帯の可処分所得が減り、消費支出も大幅減(▼5.9%)となった。これは、単なる「駆け込み需要」(1~3月期)の「反動減」とは言えず、実質所得の落ち込みで「購買力」「消費マインド」が落ちているという構造的問題だと深刻にとらえなければならない。


 7~9月期の指標を注意深く分析する必要があるが、経済の体力からして増税できる状況にはない。将来的な増税の必要性までを否定するものではないが、現在の経済状況下での消費税増税の強行は、むしろ「アベノミクス失敗」への決定的な引き金を引くものとなりかねない。


2. 増税の前に、安倍政権・与党は議員定数削減の約束を守るべき

 一昨年に決定された社会保障・税一体改革大綱では、議員定数削減など国会議員自らが身を切る改革を実施したうえで、消費税を引き上げるべきとしている。さらに、安倍総理は、一昨年秋の国会での党首討論で、議員定数削減を必ず実現すると約束した。この約束は未だに果たされず、検討のための第三者機関を設けたのみである。


3. 増税の前に、政府はバラマキと歳出膨張を止めるべき

 政府による歳出のムダ削減も全く不十分である。まず、消費増税分は社会保障経費に充てると言いながら、実際は、ムダな公共事業をバラマキ(補正予算等を入れて例年の倍の10兆円規模)、かつ、執行しきれず数兆円の使い残しが出ているのが現状である。


 公共事業以外でも、消化しきれない巨額の基金が天下り法人にたまったままで、一部の既得権益層を潤すだけになっている。さらに、復興予算を復興以外の支出に流用して国民の財政への信頼を失わせる等、政府はムダ削減の努力をするどころか、むしろ財政規律を緩めたバラマキを行っている。


4. 財政再建には「経済成長」「歳出削減」「増税」のベストミックスが必要

 財政再建は「経済成長」と「歳出削減」と「増税」のベストミックスで成し遂げられる。米ハーバード大のアルベルト・アレシナ教授の研究では、経済成長を損なわない財政再建のためのベストミックスは「増税:歳出削減=3:7」の比率であるとする「アレシナの黄金律」を唱えている。


 「増税」という手法を全否定するものではないが、1,000兆円になんなんとする借金を増税(消費税換算で400%分)だけで返せるはずもなく、「金の卵を産むがちょう」(財政再建のエンジンたる経済成長)を殺してしまっては元も子もない。


 政府は増税の必要性ばかり強調する一方、「増税:歳出削減=3:7」の7にあたる「歳出削減」には全く手つかずのまま放置している。消費税8%→10%への引上げで得る年間の増収分5兆円程度は、議員や公務員の「身を切る改革」や歳出削減により賄うのが当然である。それすらも実行せずに増税でカネを吸い上げ、あまつさえバラマキで歳出を膨らますのでは言語道断である。


 なお、歳出削減にあたっては、これまでの政治が聖域化してきた社会保障費や地方交付税交付金にも大胆なメスを入れていく必要がある。既成政党にはできない徹底した歳出削減を維新の党は提起していく。

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