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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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初の安倍首相の施政方針演説への代表質問・・・③経済政策と社会政策を峻別

2014年2月17日  tag:

 次に、経済政策についてお聞きしたいと思います。


 まず、好むと好まざるにかかわらず、これからはグローバル社会の大競争時代を勝ち抜いていかなければなりません。そのためには、国際標準の制度、ルールで戦うしかない、日本だけ独自の異質な制度やルールを経済や企業に押し付けることはできないのです。そう、「フリーでフェアー、オープンな市場主義」が原則なのです。


 我々は、日本経済のポテンシャルの高さを信じています。その可能性を活かすには、規制改革等の環境整備が欠かせません。法人税の実効税率の引き下げも必要です。特に、直接の競争相手、中国や韓国といった国の法人税率は20%台前半です。したがって一挙には無理でも、重要なのは、いついつまでにどこまで下げるといった行程表をつくることです。企業は将来の見通しさえ立てば、それに合わせて計画を立て行動していきます。それにより企業立地や設備投資が拡大していくのです。総理、この段階的な法人税引き下げの道筋を示してください。その最終目標は何%においていますか?


 一方で、市場主義社会は、基本的に優勝劣敗の世界でもあります。そのまま放置しては当然、非効率な衰退産業は市場から退場を迫られ、失業者は生まれ、格差も広がってしまう。そういう人たちのために、手厚いセーフティネットを構築しなければいけません。


 こうした考え方、「小さな政府で大きなサービス」の良い例がスウェーデンです。スウェーデンは社会福祉大国だと言われますが、衰退する産業を潰すことも厭いません。リーマンショックで経営危機に陥った、スウェーデンを代表する自動車メーカー、ボルボやサーヴでさえ救済しなかった。もちろん、大量の失業者も出てきます。そこで、政府は三年ほどの時をかけ、職業訓練などを行って再就職先まで面倒を見る。そういうシステムが構築されているのです。この手厚いセーフティネットの構築についての安倍政権の政策は何ですか?具体的にお答えください。


 これまで自民党も民主党も、一言でいえば、経済政策に社会政策的要素を混在させてきました。産業の新陳代謝を行なうのではなく、本来なら市場から退場すべき既得権益を守り続けてきた。セーフティネットも不十分なまま放置したために、十四年にもわたって自殺者が三万人台という悲惨な状況をつくってしまったのです。


 景気に目を移すと、これまで、安倍政権の高支持率を支えてきた「アベノミクス」も、「大胆な金融緩和」というカンフル剤が効いて、株価が上昇、円高も是正され、景気も上向いて、今のところ順調に推移しているようにみえます。


 しかし、四月からの消費増税(5%→8%)、成長戦略の肝である「規制改革」の骨抜き等で早晩息切れし、残念ながら、このままでは年央以降、景気は失速する可能性が高い。この春先には、これまで15兆円も買い越してきた外国投資家が先行きを憂え、東京市場で株を投げ売りするという恐い話もあります。それを回避し、景気を本格的に回復させていくためには、「おカネ」だけでなく、実体経済、すなわち、「モノやサービス」を動かす「成長戦略」、安倍総理のいう「第三の矢」を力強く飛ばす必要があります。そう、「規制改革」や「地域主権(地方分権)改革」を断行していかなければならないのです。


 しかし、規制で守られた「既得権益」から多くの組織票や献金をもらっている安倍自民党に、その「岩盤」を打破する改革が本当にできるでしょうか。地方に権限や財源を下ろすといっても、それに身体をはって抵抗する「中央官僚」や、その背後にいる「族議員」を押し切ることができるでしょうか。これまでの自民党政権は、ことごとく、その「しがらみ」に足をとられ、改革の後退を余儀なくされてきました。


 安倍政権でも同様に、我々から見ると官僚主導、族議員主導の政治が頭をもたげ始めた。例えば、デフレ下における増税の強行、国土強靭化と称する公共事業のバラマキ、さらには成長戦略の肝中の肝である規制改革の骨抜き、そして特定秘密保護法案の強行採決等々です。そしてその結果、国民が置き去りにされつつあります。


 衆院の解散権や内閣や党の人事権をもつ安倍総理が、身を捨てて「この改革に反対するなら俺の首を取れ」という覚悟を示さなければ、岩盤規制を打ち砕くことも、地域主権改革を断行することもできません。良い悪いは別にして、小泉元総理にはその覚悟がありました。それが結果的に長期政権を導いたのです。残念ながら、安倍総理からはその覚悟、気迫が感じられません。長期政権ねらいで安全運転に徹しようと思った途端に、その政権は短命で終わるのです。総理、そうじゃないとおっしゃるなら、ここで、その覚悟のほどをお示しください。

(次回以降に続く)

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初の安倍首相の施政方針演説への代表質問・・・①結いの党の原点・使命 (2014年02月03日号)
初の安倍首相の施政方針演説への代表質問・・・②「心情倫理」と「責任倫理」 (2014年02月10日号)

初の安倍首相の施政方針演説への代表質問・・・②「心情倫理」と「責任倫理」
初の安倍首相の施政方針演説への代表質問・・・④成長戦略の肝「規制改革」