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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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「シリーズ/今一度、消費税増税を考える・・・③財務状況は貸借対照表でみるのが当たり前

2013年10月 7日  tag:

 夕刊フジがこの9月20日付で「借金1000兆円は誇大表現!元大蔵官僚の増税キャンペーン担当者が内幕を暴露」と
いう記事を出したらしいが、今さら目新しいことではない。既に私も「財務省のマインドコントロール」で指摘して
いるし、あの埋蔵金男、高橋洋一さんも縷々指摘してきたことだ。

 要は、会社も国も財務諸表をしっかりみて、会社の再建や国の財政再建を論じろという当たり前のことだ。ちなみに、
その元大蔵官僚とは、衆院議員まで務め、現在は東北福祉大特任教授の宮本一三(いちぞう)氏(82)。

 どんな優良会社でも、貸借対照表の右側(貸方)=負債だけを取り出されれば、即、大借金の倒産寸前の会社になって
しまう。あの「世界のトヨタ」も「世界のソニー」も同じだ。トヨタには19兆円の「負債(借金)」があるが、同時に
30兆円の「資産」(2010年度末)がある。ソニーにも10兆円の「負債」があるが、同時に13兆円の「資産」(2010年度末)
がある。だから大丈夫なのだ。

 どこの世界にバランスシートの左側(借方)=資産を無視して「大変だ!大変だ!」と騒いでいる会社や会計事務所、
監査法人があるだろうか。しかし、そうしたおかしいことが、平気で国会でもメディアでも吹聴される。やれ「国の借金は
1000兆円、GDPの二倍にも膨れ上がり、財政は破たん寸前だ」。

 私も、資産と負債の差額、すなわち、純債務がそれでも459兆円もあるのだから、それがどうでもいいとは言わない。
何度もいうが、増税見送りで国債が暴落するリスクよりも、増税で景気が腰折れするリスクの方がはるかに高い、為政者
はそういう全体図をみた上で決断すべきだと言っているだけだ。

 それにしても米国の純債務約1500兆円。これもすさまじい数字だ、確かに。

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ちなみに、その宮本一三氏が面白いことを言っている。以下はその夕刊フジからの引用。

 1966年から6年間、大蔵省からIMFに出向した宮本氏は「当時の対日勧告文は私が作成していた」と語る。その
内容について「大蔵省の局長から直接命じられることはなかったが、意向は配慮していた」。現状についても「財務省の
意見はIMFにも反映されているだろう」とみる。

 これは、拙著「財務省のマインドコントロール」で「財務省はIMFさえ操る」と題して書いたことを裏付ける一つの
証言だ。

 そこでも書いたが、IMFの№3副専務理事は歴代財務省の出向(天上がり?天下り?)ポストだし、その幹部が来日
しては、やれ「財政再建を急げ」とか「消費税の増税は10%では足りない」とかのたまい、それを財務省詰めの記者が
広告塔のように大々的にニュースで取り上げ、財務省の「増税キャンペーン」を助ける。

 これも日本の「財務省支配」の一端だ。

シリーズ/今一度、消費税増税を考える ・・・①前回増税時との決定的違い
                            ②国債が暴落して金利が急上昇の大ウソ                                           

シリーズ/今一度、消費税増税を考える・・・②国債が暴落して金利が急上昇の大ウソ
アベノミクスは早晩、頓挫する!・・・「規制改革」「地域主権」「自由貿易・投資」がカギ