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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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シリーズ/今一度、消費税増税を考える・・・②国債が暴落して金利が急上昇の大ウソ

2013年9月30日  tag:

 消費税の増税見送りで必ず言われることが、「それでは国際的に日本の財政規律への信認が失われ、日本国債が
売られ暴落、金利が急上昇する」というものだ。財務省の御用政治家、御用学者、御用評論家、御用コメンテーター、
御用メディアが口をそろえて言うセリフ。本当に「ご苦労さん」と言いたくなる。

 どうして日本国債が暴落するのか。誰が売るのか、いや、「投げ売り」するのか? 投げ売らなければ暴落なぞしない。
私も未来永劫、日本国債暴落のリスクはないと言うつもりはない。たかだかこの数年、消費税を上げなくても、そんな
リスクは考慮する必要ないと言っているだけだ。

 もう一度言う。確かに外国投資家、特に、投機期待の投資家が「ちょっかい」を出してくることはあるだろう。彼らは市場
が乱高下しなければ「儲け」られないからだ。しかし、それにつられて、日本の金融機関が投げ売りするのか。日本は、よく指摘されているように、国債の外国人保有は数%で、そのほとんどは邦人、特に銀行、証券会社が持っているのだ。
そんな外国投資家の「火遊び」に付きあって自分たちも国債を投げ売りして暴落などしたら、途端に財務状況が悪化して
「自分の首をしめる」ことになる。「自殺行為」だ。

 こんなちょっと考えればわかることを、平気で無視して「財務省言いなり」のセリフを言い募る。「日本の借金のGDP比率
は200%。GDPの二倍もの借金があってもつわけがない」云々。しかし、借金のGDP比率は低いに越したことはないが、どの財政学や金融学の教科書を読んでも、借金がGDPの何倍になったら国債が暴落する、デフォルト(債務不履行)
するなんて記述はない。そう基準がないのだ。

 「自国通貨建ての日本国債がデフォルトすることはない」。これは財務省の公式見解だ。そう、2002年、日本国債の格
付けが下げられた時の財務省の対外的な説明だ。今でも財務省のHPにのっている。借金のGDP比率も、なんら「国債
暴落か否か」の指標にはならない。これも財務省が主張していることだが「戦後初期の米国はGDP120%超の債務を抱えていたし、1950年代初期の英国は同200%近くの債務を抱えていた」が破綻していない。一方、過去、実際にデフォルトしたアルゼンチンは同63%、エクアドル同101%、ロシア同75%でしかない。

 それでは何が「破綻」「デフォルト」「国債暴落」のポイント、分岐点なのか? 要は、借金の外貨建て比率、その国の借金を外国に負っている比率が問題なのだ。そう、誰が考えてもわかるが「すわ債務危機か!」となれば、外国資本は何の
てらいもなく「投げ売り」「逃避」してしまう。しかし、日本の金融機関はそうはいかない。何度も言う。そう「自殺行為」だからだ。

 上記破綻国はすべて、借金の多くの部分を外国に負っていた。その結果、「投げ売り」され「国債暴落」となり「破綻」した。日本も一時的な外国投資家の「売り」「国債価格下落」「金利上昇」は起こるかもしれないが、日本経済のファンダメンタルズからしてすぐに価格は戻るだろう。いや戻らざるを得ない。そういくら利益ねらいの投資家も「バカ」じゃないからだ。

 何度も言う。私も未来永劫、国債暴落のリスクが絶対ないとは言わない。しかし、ここ数年、日本経済がデフレから脱却し、その成長が「巡航速度」に乗るまで消費増税を凍結しても、財務省やその「マインドコントロール」を受けた連中が言い募る危機は起こらないということだ。

 政府は、為政者は、経済・金融の常識・理論を踏まえ、かつ、多角的、重層的に数字・データをみて、財政・経済運営に
当たらなければならない。当たり前のことだろう。

【解説】②国債が暴落して金利が急上昇の大ウソ(シリーズ消費増税)
    ・・・財務省の「二枚舌」もいい加減にしろ!と私が言う証拠

◆「日本国債の格付けが下げられた時の財務省の対外的な説明」
《外国格付け会社宛意見書要旨》
日本の強固なファンダメンタルズ
①日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルト(債務不履行)は考えられない。日本は世界最大の貯蓄
 超過国(1,500兆円)
②国債はほとんど国内(95%)で極めて低金利(1%前後)で安定的に消化されている。
③日本は世界最大の経常黒字国(17兆円)、債権国(250兆円)であり、外貨準備(100兆円)も世界最高
( )内の数値は、2010年時点で、江田事務所が挿入

◆「借金のGDP比率も、なんら国債暴落か否かの指標にはならない」
《外国格付け会社宛意見書への回答に対する7月23日付再質問書(大要)について(Moody's宛)(2002年7月25日) 》
ところで貴社は、日本の政府債務が「未踏の領域」に入ると主張しているが、巨額の国内貯蓄の存在という強みを
過小評価しており、また、戦後初期の米国はGDP120%超の債務を抱えていたし、1950年代初期の英国は、
同200%近くの債務を抱えていたという事実を無視している。また、貴社の格付けは、日本政府の債務支払い
能力に対する市場の信頼を反映した低い実質金利とどのようにして整合性をとっているのか説明がされていない。
貴社の分析がマクロバランスを十分反映させていないことについては、市場関係者、エコノミストからも批判が
ある。
(両者とも財務省公式見解。HPより今でも見れます。)

シリーズ/今一度、消費税増税を考える ・・・①前回増税時との決定的違い

シリーズ/今一度、消費税増税を考える ・・・①前回増税時との決定的違い」
「シリーズ/今一度、消費税増税を考える・・・③財務状況は貸借対照表でみるのが当たり前