結党の原点に戻る・・・筑紫哲也さんの言葉
2013年9月 2日 tag:
筑紫哲也さん、亡くなってもう5年近く経ちます。特に親しくさせていただいたわけではありませんが、筑紫さんが亡く
なる前、最後の「多事争論」でおっしゃった言葉が今でも頭に残っています。「愚直の信念」でも引用させていただき
ました。これも「原点回帰」の一環です。
「これだけは言いたい。政治は、古典的には世代の間でパイを奪い合う、つまり、若い世代に使うのか、高齢者に使う
のか、その配分の争いといわれます。これが選択肢のはずなのに、この国のおかしなところは、そのどちらにも行って
いない。資源のない国で教育に投資していない、じゃあ医療に使っているかというと高齢者を切り捨てる。未来にも投資
していない、過去にも投資していない。じゃあ、どこにお金が行っているのか。シンボリックには、道路を作るために59
兆円のお金を向こう10年使い続ける。つまり、お金が変なところに行っているのです。
私は今ガンを患っています。ガンに犯されると、本来使うべき栄養やエネルギーがガンと戦うためにそこに取られて
しまう。本来人間が生きていくためのそれに向かなくなる。この国は、一言でいえばガンに罹っているのです。
起きていることははっきりしている。それに対してどうするのか。何をやるのか。敵はなかなかしぶとい。問題ははっきり
している。ある意味では単純である。だからやれることは簡単かというとそうではない。問題がここにあるということをはっ
きりさせて、その上で、それと戦うのか、負けるのか、それが私たちに迫られている選択肢だろうと思います。」
そうです。筑紫さんが指摘するように、日本は今、ガンを患っているのです。ガンとは何か。私流に解釈すれば、それは
官僚の天下りや既得権益、政治家の利権なのです。そのガンに栄養(税金)を吸いとられ、肝心の国民だけがやせ細っている。もちろん、ガンを摘出しただけでは足りません。しかし、まずこの日本の病巣をえぐり出さない限り、何も始まらない
のです。
(本来は、このような文章を書くとき、今、ガンで苦しんでおられる方々の思い、お立場にも十分配慮すべきなのですが、
そのガン患者であった筑紫さんの言葉を受けての記述なので、例外的にお許しいただければ幸いです。)
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