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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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安倍政権の成長戦略に失望感・・・自民党の支持基盤に配慮

2013年6月10日  tag:

 先週水曜日(6/5)、安倍内閣は「成長戦略」を決定、公表した。案の定、その失望感から市場が反応し、株価は下落、為替は円高に振れた。これは、そろそろ「大胆な金融緩和」というカンフル剤の効果が切れかかっていることを意味する。

 私も15000円を突破した株価が13500円程度に戻ったところまでは、それまで一本調子で上がってきた株価の「調整
局面」と捉えてきた。しかし、この「成長戦略」発表後の株価下落は、明らかに、それまでのそれとは質的に違うと考える。

 これまでも累次、指摘してきたが、「大胆な金融緩和」自体はみんなの党が訴えてきた政策で現に効果が出て評価はするが、それが効いている間に、次の一手、すなわち、実体経済を動かすような成長戦略、すなわち、法人税の先進国
並みへの引き下げや、成長分野における規制改革による新規参入の促進等を図らなければ、いずれ「期待感」は「失望感」に変わり、株価も為替も「元の黙阿弥」になりかねない。

 その点、安倍政権の「成長戦略」は、予想通り、自民党の支持基盤、既得権益に配慮するあまり、その肝である「規制改革」の目玉は、薬のインターネット販売の解禁ぐらいしかない。みんなの党が「規制改革の三本の矢」と位置付けている「農業改革」「電力改革」「医療改革」に切り込んでいないのだ。参院選を前にして、それぞれ「農協」「電力会社」「医師会」という自民党の支持基盤におもねった結果だ。

 「農業」については、官僚統制の極みである「減反政策」を廃止するとともに、株式会社やNPO、やる気のある個人
にも「農地を所有」できるようし、さらに大規模化により生産性を上げていかなければならない。それにより、農業の輸出・成長産業化は必ず実現できる。しかし、自民党案は相変わらず、こうした農協や農業生産法人を守る規制撤廃を行わず、全農家に税金をばらまくことで「所得を二倍」にするらしい。

 「電力」については、発送電分離で小規模地域電源をどんどん参入させ、消費者が電力を選べ、競争原理により
世界で二番目に高い電気料金を下げるとともに、再生エネルギーを普及促進し、もう「安くもない安全でもない原発」は、将来市場原理で淘汰させなければならない。しかし、自民党案は「発送電分離」と「小売の自由化」の方向性は示したが、発送電分離の形態は5年後の法律にゆだねた。みんなの党は「発送電分離は所有の分離」にまで踏みこむべき
と考えており、自民党のように「法的分離」、すなわち、電力会社の分社化で終わってしまうと、今の送電線貸与の
「嫌がらせ」が続くことにもなり、真の「電力自由化」とは言えない。

 「医療」については、「混合診療の解禁」や「株式会社の参入」も含まれていない。「レセプトの電子化」も中途半端で、反対している「医師会」におもねっているとしか言いようがない。

 TPP、RCEP等による自由貿易、自由投資の促進を含め、こうした「実体経済」に効く成長戦略でなければ意味が
ない。これまで歴代政権があまたの成長戦略を出しても景気に効いてこなかったのは、まさに、こうした既得権益、
しがらみ、支持基盤に切り込めなかったからだ。その意味では、自民党も民主党も同罪だ。

 みんなの党は、こうした「しがらみ」がない政党であるからこそ、参院選では、こうした「規制改革」「公務員制度改革」「選挙制度を含む政治改革」を「三本の矢」として国民に訴えていきたいと思う。

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