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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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アベノミクスの死角・・・「既得権益の打破」と「地域主権の確立」

2013年5月 7日  tag:

 連休もあけ、永田町は選挙モードに入る。参院で予算案の審議は行われているが、衆院通過から30日が過ぎると「自然成立」になるので、この15日には来年度予算案も正式に成立することになる。その後は、6月の都議選、7月の参院選になだれ込む。

 安倍政権の半年をみると、今のところ順調そうには見える。首相のパフォーマンスも良好で、この連休中は、ニコニコ動画主催のイベントや長島、松井両氏への国民栄誉賞授与式等で効果的な露出も増えている。

 しかし、このアベノミクスには「死角」があることを、私は、みんなの党は、国会の内外で訴えてきた。今は「景気」の「気」で、気分的に景気が上向いてきたように感じられてはいるが、問題はそれが「持続可能」かどうかか問題なのだ、と。

 そういう意味では、私は、一年後の安倍政権は大きなデッドロックに陥っていると予想している。そう、「既得権益の打破」と「地域主権の確立」に極めて消極的な自民党の存在が、徹底的に安倍政権の足を引っ張っているとしか思えないからだ。

 今は、日銀の、インフレターゲットを含む大胆な金融緩和で、いわゆる「インフレ期待」が高まっている状況だ。将来2%のインフレが起こるだろうと思うと、実質金利も下がるだろう、それが円安要因にもなるし、円安になれば輸出企業を中心に業績があがり、株価もあがるだろう、設備投資も増えるだろう、個人消費も将来インフレになるなら、今のうち買っておこうと上がっていくし、それがまた企業業績をあげる、そうなれば自然と従業員の給料も上がっていくだろう。こうした一連のプロセスや資産効果で経済が成長していくだろう、という期待感だけで、今の「気」は成り立っている。

 それを将来にわたって「地に足ついたもの」にするためには、「実物経済」「実体経済」を動かしていかなければならない。「大胆な金融緩和」というカンフル剤を打っている間に、それが効いている間に、「規制改革による新規参入の促進」や「基礎自治体への権限やお金の移譲」を図っていく必要があるのだ。

 誰しもが言うことに、「これからの成長分野は、農業、医療・福祉・子育て、電力・エネルギーだ」というものがある。この限りでは、総論では、自民も民主もみんなも経済学者も評論家も変わらない。しかし、問題は、その具体的処方箋を持ち合わせているかどうか、だ。しかも、こうした規制で守られてきた分野は、それによって利益を得てきた、「うまい汁」を吸ってきた人たち、すなわち「既得権益」を打破していかなければ、到底、活性化できないものばかりなのだ。

 「農業」なら「農協」や「農業生産法人」、「医療」なら「医師会」や「医療法人」、「福祉」なら「社会福祉法人」「電力」なら「一社独占の電力会社」等々だ。こうした「既得権益」から、いっぱい票やお金をもらってきたのが自民党ではないのか。その自民党政権に、こうした支持基盤を切り崩す「大胆な規制改革」が本当にできるのか。

 さらに、自民党の背後には、強固な官僚組織(霞が関)が控え、それをバックとした族議員も大勢いる。そうした連中、厚い壁を突き崩してまで「地域主権」、すなわち、地方に権限や財源を手渡そうという芸当が自民党にできるのか。

 ましてや、最近は「国土強靭化」と称して10年間に200兆円の公共事業をばらまこうとしている。その膨大な権限を絶対に族議員や中央官僚は手放そうとはしないであろう。現に、民主党政権が先の総選挙前に閣議決定した「出先機関改革法」ですら、自民党は反対している、といった体たらくなのだ。

 この法律案は、国の出先機関のうち、経済産業局、地方整備局、環境事務所だけを地域の「広域連合」に移管しようという「しょぼい」内容のものだ。にもかかわらず、特に、「国土強靭化」を実際に担う地方整備局は、絶対に地方には移管しないというのが自民党の立場なのだ。

 科学技術や教育(人材)への投資も含め、こうした将来の成長分野に、実際に効果が及ぶ政策をとっていかない限り、アベノミクスは「砂上の楼閣」になり、おそらく、この夏の参院選後、遠くない時期に失速することだろう。しかし、次の選挙は遠い。この夏の参院選の段階では、まだまだ、こうした「化けの皮」がはがれないからだ。そうなれば、次の選挙は3年半後の衆参同日選になる可能性が高い。

 ただ、それで失望する必要はまったくない。その時に、安倍政権が続いていようが、誰か他の首相で自民党政権が続いていようが、その内閣支持率は、かつての自民党政権が味わったと同じように、10%台、20%台で「低位安定」しているだろうからだ。そこで真の意味の「政権交代」が実現できるかどうか。そこが、私の政治家としての「崖っぷちの戦い」となる。

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