誰のための選挙制度改革か?・・・政治家や政党ではなく有権者のため
2013年4月15日 tag:
一票の格差を巡る違憲判決が続出している。その内のいくつかに「選挙無効」の判示もあり、我々政治家一同は深刻に受け止めなければいけない。
この問題では、格差が2倍であれば良くて3倍なら駄目だという基準はないはずだ。性別や宗教や納税額の多寡等で
投票権が差別されることが絶対に許されないように、住んでいる所、すなわち「住所」で差別されることも本来許されないはずなのだ。憲法の要請する「法の下の平等」「投票価値の平等」という観点からは、一票の格差はゼロであるべきなのだ。
こうした考えから、みんなの党は全国集計の比例代表一本の選挙制度改革案を提案してきた。投票する選挙区は、
小選挙区であれ、都道府県単位であれ、ブロック単位であれ、いずれにせよそこで投票された票は全て全国一本で集計される。その票数に基づいて、各党に議席が按文比例される。各党内の議席はそれぞれブロック単位であれ、都道府県単位であれ、各党の中の都道府県別の票数、ブロック別の票数に基づいて按分比例される。
したがって、議席も自動配分、人口が少ない地域でも投票率を上げれば、それ相応の議席が配分されることになるのだ。こうした比例一本の制度にすれば、複雑な「選挙区割」も必要なく大幅な定数削減(みんなの党:衆院480→300・参院242→100)も容易にできる。
4月12日、政府与党は、緊急是正策と言われている「0増5減」の法案を閣議決定し、国会に提出した。確かに昨年末の総選挙前、我が党もやむを得ない措置として緊急避難的にこの案を是認するという苦渋の判断をした。
しかし、その後選挙が終わり、こういった違憲判決が続出する中で、この案は、最高裁が問題だと指摘した「一人別枠方式」を前提とした区割りであること、この案では格差是正が不十分だという違憲判決もあったこと、そして、ここが重要な点だが、この案を急いで通しても、直近の人口推計では、格差二倍を超える選挙区が数か所でてくること、等を勘案すると、国会の責務として、やはり、裁判所の意思をしっかり受け止めるべきで、こんな弥縫策、取り繕い策を認めてはいけない。
したがって「0増5減」ではなく、大幅な定数削減を含む抜本的な改革案を早急に議論していくべきだろう。しかし、自民党からは、区割り法索は4月中に衆議院を通過させ、3分の2条項による再可決も辞きない旨の強行発言も見受けられる。
ただ、民主主義の根幹である選挙制度については、あくまで各党間で真摯に協議し、結論を出すべきである。今の自民党には、そういった認識が全く感じられず、まさに与党の驕りと言われても仕方がない。各党の幹事長レベルでしっかりと議論していきたいと思う。
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