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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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W党首選に興味はない・・・第3極の使命

2012年9月10日  tag:

  国会が閉幕した。永田町は、W党首選モードで一色だ。秋にもあると言われる衆院選に向けての動きも激しくなって
きた。

 私は、自民党や民主党の党首選にはまったく興味はない。看板だけ変えても、表紙だけを変えても、その党の構造的
組織的欠陥が是正されない限り、誰がなっても同じだからだ。これまでの歴史が証明している。

  自民党は言うまでもない。これまでの業界依存、利権誘導、既得権益の保護、、、。こうした、しがらみだらけの「政官業癒着の政治」が、国民との距離を徹底的に広げた。彼らは「国民政党」を標榜しているが、自民党は特定の利益集団の
代表でしかない。

  特に最近はいけない。今の自民党は派閥の領袖クラスの影響力が大で、完全に「先祖がえり」している。その象徴的な事例が道路族のボスが主導している「国土強靭化法案」だ。10年間で200兆円の公共事業をばらまく。「国土の均衡ある発展」「多極分散型の国土形成」といった田中角栄ばりの手垢のついた言葉が並んでいる。

 まるで「日本列島改造論」だ。自民党が総選挙後、第1党をとれば、確実に「増税バラマキ」政治が実行されていくだろう。これに「原発続行」「官僚主導」等が付いてくる。

  民主党については言うに及ばない。「脱官僚」「公務員制度改革」「ムダ遣いの解消」等では一致していたみんなの党だが、4K、すなわち、「高校無償化」「高速無料化」「子ども手当」「農家の戸別所得補償」によるバラマキには反対だった。なぜなら、お金持ちにもそうじゃない人にも、頑張る人にもそうじゃない人にも、一律に税金を配る、「結果平等」重視の
社会民主主義ではなく、みんなの党は、「機会均等」の自由・市場主義、社会政策としてのセーフティネットの構築を目指していたからだ。

  おまけに、一致していたはずの「脱官僚」「公務員制度改革」「ムダ遣いの解消」はろくろくやらず、どころか天下りなどは自民党政権時代よりひどい「天下り天国」になっている。にもかかわらず、約束もしていない消費増税だけは「政治生命」をかけて実現に邁進する。何をかいわんや、だ。こんな政党が選挙後、生き残ることはないだろう。

  総選挙の最大のポイントは何か? それは選挙後、自民党が第1党になって、今後の日本政治を主導していくことだけは阻止しなければならない、ということだ。そこが、我々みんなの党を含む第3極の役割なのだ。しかし、今のように、その第3極が区々に分かれているようでは、この自民党の、既成政党の厚い壁が打ち破れない。だからこそ、政治理念や
基本政策を軸に結集していく必要があるのだ。

 もちろん、あくまで、基本政策が一致する「政策中心主義」でなければならない。その意味では、みんなの党の「アジェンダ」と大阪維新の会の「維新八策」は一致している。よくブレーンが共通しているから、と言われるが、それぞれの「政治家」の価値観が似ているから、と言った方が正しいだろう。その上で、共通のブレーンが肉付けしているといった感じだ。そして、あえて言えば、古賀茂明さんも、高橋洋一さんも、原英史さんも、維新の側から要請があって、我々が派遣したという経緯もある。

  最近よく、この「大阪維新の会」あらため「日本維新の会」と、みんなの党との関係が揶揄される。連携交渉が決裂したとか、関係が悪化した云々。しかし、そうした事実は一切ない。維新側も認めるように、不幸なことに、交渉の途中経過が外に出てしまったこともあってクールダウンしているだけだ。政治理念や基本政策一致している以上、そうした立場から
今後とも連携のあり方を検討していくことは当然の事だ。

  大事なことは、こうして結集した第3極が、自民でもない民主でもない、まったく新しい政治の流れを創っていくことだ。
その力が最大限発揮できるのは、「合併統合」「新党」といった「合流」だろうが、そこまでいかなくても「選挙協力」して、
一つでも多くの議席を獲得していくべきだろう。

  何も焦る必要はない。たとえ自民の第一党を許しても、選挙後の自公民の大連立による「増税バラマキ路線」に対する
国民のしっぺ返しは強烈で、来夏の参院選では地殻変動が起こる可能性大なのだから。そこで真の第3極は勝負に
出ればいいのだ。

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