これで国会閉会はないだろう!・・・野田総理問責決議案を提出
2011年12月12日 tag:
この秋の臨時国会が、先週金曜日(12/9)で閉会した。みんなの党は、「こんな課題山積、国難の時に国会を閉じている場合ではないだろう!」「国家公務員の給料カット法案も復興関係の法案も残っているじゃないか!」「会期を大幅延長して国会の責任を果たすべき!」と訴えたが多勢に無勢、残念ながら、民主党と自民党で大多数を占める国会の「数の論理」に押し潰された。
昨今は、これに公明党を加えた「三党密室談合」で国会運営もすべて決まってしまう。やはり、次の総選挙で我々みんなの党が議席を大幅に増やし、「世間の常識」を国会に反映させていくしかないと改めて決意を新たにしたところである。
さて、この会期末に、その自民、公明両党から、一川防衛大臣、山岡国家公安委員長・消費者行政担当大臣の問責決議案が提出され、可決された。我々も、この二人には大臣としての資質が欠けると判断していたので、出された問責には賛成したが、むしろ、こんな素人大臣、失言大臣、スキャンダル大臣を、それが分かっていてあえて重要閣僚に登用した野田首相の責任の方がはるかに重い。それが、みんなの党が単独で「野田首相問責決議案」を提出した理由である。
特に、山岡大臣の問題は、度々指摘されてきたように、マルチ商法の推進論者が「消費者行政担当」であり、と同時に、それを取り締まるべき警察のトップであるという、もはや「ブラックユーモア」と言うしかないような人事にあった。
ただし、自民党を中心に国会でこの点が追及されたが、何も新しい事実は出てこなかったのである。だから、むしろ問題は、こうした永田町、国会議員の間では「公知の事実」であった山岡氏とマルチ商法との関係を知りながら、あえて、党内融和か、小沢氏への配慮かは知らないが、彼を最も不適当なポストに登用した野田首相の責任が重大なのである。
一川大臣についても、彼が防衛、安全保障の分野で「ずぶの素人」であることは、本人が告白するまでもなくわかっていながら、同じく、党内力学や小沢派、輿石幹事長への配慮で登用した野田首相の見識が問われるのである。
さらに素人と言えば、一川防衛大臣だけではない。安住財務大臣は、私の予算委での質問にすらまともに答えられない。ユーロ危機もあり、市場関係者の間では日常茶飯事に使われているCDS(クレジット・デフォルト・スワップ=国債が債務不履行になった時の保険料のようなもの)も知らなければ、先に策定されることになった第四次補正予算の財源、すなわち、予算計上してある国債の利子(約2%)分のお金と実際の利払い(約1%)の差額で1兆円のお金が浮くことも知らなかった。
元々、財務省関係の仕事は野田首相が直轄で行うので、財務大臣は文句を言わない素人が良いと任命された経緯からも、当然と言えば当然の「財務官僚言いなり」の日々を送っている。
玄葉外務大臣も、これまで外交は「ずぶの素人」。先月末の訪中では、日帰りの日程でなんと1200万円もかけてチャーター便を使用したそうだ。よほど突発的な事情があり緊急に飛ばなければならないケースや辺境の地へのフライトならまだわかるが、通常、こんな海外出張は商用便を使うのが常識だ。国民の血税をこんなことに湯水のごとく使う感覚が、まずは私には理解不能である。
もう一度言う。思い起こせば、この組閣人事は、「党内融和」か「ノーサイド」か知らないが、「適材適所」より「派閥均衡人事」を優先した結果の賜物だったのである。まさに、そのツケが案の定、一気に噴き出してきたというにすぎない。今や、政権交代後の日本の政治は、自民党時代より古い古い政治に戻ってしまった。
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