義援金も賠償金も遅すぎる!・・・先例踏襲の官僚主義
2011年6月27日 tag:
とにかく、この菅政権、民主党政府とやらは、口先だけは達者だが、行政の行政たるゆえんも知らず、ひたすら「目立ちたい」「延命したい」だけの真骨頂で、被災者へ救いの手を差し伸べるのが、遅れに遅れている。
その事例には事欠かない、例えば、義援金だ。義援金といえば、地元では、私やみんなの党の地方選候補者も街頭にたって市民ボランティアの募金活動に協力し、目標を上回る280万円ものお金が集まった。日赤を通じて寄付したが、それが3月末のことだった。
全国では、あわせて2700億円もの善意が集まったものの、震災後3カ月たっても、被災民の手に実際に渡ったのはたったの370億円(15%)、という驚くべき事実が6月7日に判明した。一体、何をやっているのか!
その理由は何かと調べたら、なんと、厚生労働省にある「義援金配分委員会」(会長;堀田力さわやか福祉財団理事長)が、またぞろ、官僚主導の先例踏襲、前例主義で、こんな善意のお金にまで、法律上の給付金である「生活再建支援金」の例にならい、「全壊35万円・半壊18万円」といった基準を採用したからなのだ。
これでは、そうでなくても超多忙の被災市町村では、職員が「全壊か大規模半壊か半壊かそうでないか」云々の家屋調査なんてやってる場合じゃない。結果、調査に時間がかかりすぎて被災者にお金が渡っていないというのだ。
しかし、こんな税金でも法定給付金でもない善意のお金は、「公平性」より、とりあえず早く一律50万円でも100万でも、避難している目の前の人に、困っている人に払えば良いのだ。それをやるのが「政治主導」というものだろう(そんな大げさな話でもないが)!
ただ、この点をTVで私が指摘(6/13)し、翌日、某ニュース番組が特集(6/14)したら、6月17日、一気に1400億円が被災自治体に払い込まれた(6/17)。何をかいわんや、だ。
会長の堀田氏に言いたい。確かに、あなたは良いこともおっしゃるし、その日頃の慈善活動には敬意を表する。が、こういうところは元法務省官房長、検察官僚の限界ではないですか、と。いやいや、あなたの責任にするのはやめましょう。だって、この配分委は厚生労働省に置かれているのだから、大臣か総理がしっかり指導力を発揮、いや一言、指示すれば良いだけの話なのだから。
問題は義援金だけはない。原発事故の賠償金の仮払いも遅れに遅れている。そこで、みんなの党は自民党と協議して、先週火曜日、参院を通じて「原発事故の賠償金を仮払いする法案」を提出した。とりあえず、本格的な賠償の前に、国が東電に代わって賠償金の前払いを行おうという法案だ。
国が立て替えたお金は、当然、東電にあとで求償する。本格的な賠償額が固まった段階で清算するのだ。
しかし、考えてみれば(考えてみなくても)、そもそもこんなことは政府が行政権の行使として当然やるべきことだろう。それが、まだ賠償額全体が決まっていない、仮払いの位置づけが不明確だ等々の官僚のロジックに負けて提案できない。民主党も国会ではこの法案に協力姿勢をみせているというが、本来「あんたがやるべきことだろう!」。
ことほど左様に、何を今更と言われそうだが、つくづく民主党への政権交代は失敗だった。まあ、こういう過程を経ることが、みんなの党の結党宣言にも書いたとおり、将来の日本政治の再生、政党政治の再編につながる、そう思うしかない。やれやれ。
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