国民不在の権力闘争、政争とは距離を置く・・・今後の国会対応
2011年6月20日 tag:
菅総理退陣表明以来、民主党の中では辞めろ辞めない、あるいは「ポスト菅」について誰が良い悪いといった、相変わらず、身内の痴話喧嘩のような状況が続いている。一方、自民党はじめ一部の野党は、大連立の画策、あるいは問責決議案による菅降ろし等々、こちらの方も、あいかわらず権力奪取、復興利権参加への画策等に余念がないようだ。
しかし、今、国民が一番望んでいるのは、国会でしっかりとこの国難に際して前向きな政策論議をしてくれ、復旧復興のための議論を尽くしてくれ、対策を早急に講じてくれということだ、と我々は認識している。
したがって、みんなの党は、こうした国民不在の権力闘争、政争とは明確に一線を画し、国会を政策立案、実行の場として、建設的な実り多きものにしていきたいと考えている。内閣不信任案の時も、自公の共同提出には乗らなかったが、今後、仮に他の野党から菅首相の問責決議案が提出される場合も、みんなの党がそれと歩調を合わせることはない。
ただ、我々も、ここまでレームダック化し、死に体になった菅総理は一刻も早く辞めるべきだとの立場は変わらない。私も総理という地位にある人に2年7カ月、毎日と言っていいほどお仕えしたことがあるが、不信任騒ぎ以降、これまで菅総理を支持してきた民主党幹部、議員の心も離れ、霞が関も距離をおいているような状況では、総理が何をやろうとしても、到底「笛吹けど踊らず」、何も進まないからだ。
この国難の時に大変申し訳ない政治状況と言うしかないが、いずれにせよ、みんなの党は、これまでどおり、「誰がやるか」よりも「何をやるべきか」という観点から、今後の国会対応でも、前向きの政策提案、議員立法の提出等を通じて、震災、原発事故対応に全力で当たっていきたい。
具体的には、現在、参議院を通じて提出している、みんなの党の「復興基本法案」、浜岡以外の全原発についても、その安全性を総点検するための法案、福島第一原発の事故を調査・検証する、政府から独立した第三者委員会を国会に置く法案、さらには原発被害者への賠償、発送電分離を含めた電力の再編自由化法案、二重ローンに苦しむ被災者の債務を救済する法案等々、国民が求めている国会での責務というものをしっかり果たしていくつもりだ。
そして、そのための国会会期は、今年末か来年初頭まで延長し、実質「通年国会」にすべきと考えている。国会を常に開いておき、震災、原発対応に臨機応変、間断なく国会が対応できる体制を整えておくことが、必要最小限の国会議員の義務であろう。
ただ、この点でも、政府民主党は、菅首相延命と勘繰られかねない3カ月の延長という中途半端な延長幅を提案し、自民党は「菅延命のための延長には応じられない」と、これまた党利党略に走っている。
菅総理が突然言い出した、いわゆる1.5次補正も、ずっと民主党政権が踏襲してきた「戦力の逐次投入」という誤った政策の典型例だ。みんなの党は、特別会計の剰余金や日銀の国債引受等を活用して、被災地の皆さんに安心して頂くような、数十兆円規模の本格的な復旧復興プランを一気に突き進めていくべきという考えだ。
現地に行けばわかるが、既に高台を中心に不動産ブローカーが跋扈している。石巻市あたりでは一万人以上の方々が避難場所から浸水した家屋の二階に移り住んでいる。それもこれも、今の政府が復旧復興の絵図面をなかなか出さない、具体策を出さない、政治の意思を示さない、決断しない、そうした中でなし崩し的に実態が先行しているということだ。これを続けていくと、今後時間をかけていくら立派な復旧復興の絵図面を書いたとしても、いざ実行の段階になると、これら固定化した既成事実がその障害にもなりかねない。
その意味からも早く復旧復興の全体の絵図面を書く。そのためのしっかりとした財源の裏打ちも含めた補正予算を出すということが肝要なのだ。そういう基本的考えの下に、きたるべき第二次補正予算にも、みんなの党はしっかりした対案をだしていきたい。
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