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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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退陣偽装は三日天下・・・ピンチをチャンスに変えよう!

2011年6月 5日  tag:

 先週、大差で内閣不信任決議案が否決された。一体、民主党内の、あのスッタモンダの「お家騒動」は何だったのだろうか。

 そう、この事態を鎮圧できたのは、またまた、民主党お得意の「口先政治」と「先送り」、その場しのぎの場あたり的な対応だった。菅首相が鳩山前首相との密室会談で、復旧・復興に「一定の目途がついた段階で退陣」と約束したからと言われている。

 しかし、この「一定の目途」という「官僚のレトリック」のような言辞がミソだった。 じゃあ、いつ目途がつくのか?復興基本法や第二次補正予算が成立すれば、そこで退陣するのか?不信任案審議直前の民主党代議士会では、菅首相は全く明言していない。岡田幹事長に至っては、その直後「そんな条件はない」「退陣という言葉を使うのは不適切」とまで言い放った。

 しかし、こんな、あざとい、狡猾な「騙し戦術」が長く効を奏するわけがない。早速、党内で、菅支持派にまで首相への不信感がひろがり、そうでなくてもガタ落ちの党内求心力は一気に地に落ちた。国民も、その「退陣偽装」のような魂胆を見抜き、さすが菅直人という人物に政権は任せてはおけないと思ったのではないか。

 いずれにせよ、この抗争、痴話げんか、茶番劇に勝者はいない。この一連の事態で、民主党は事実上分裂、菅政権の党内基盤はボロボロということが白日のもとに曝されたわけだ。

 そうした政権に、本格的な復旧・復興が期待できるわけもない。被災直後の救命・救援段階とは違い、復旧・復興の段階では、まさに強い政治のリーダーシップが必要不可欠となる。官僚の発想ではできない。しかし、曲がりなりにも近いうちに退陣と受け止められた首相は、本人の意思とは別にレームダック(死に体)化し、何もできなくなるのだ。

 「急流で馬を乗り換えるな」とは言っても、このまま駄馬「菅直人号」に乗っていたら、馬もろとも溺れ死んでしまう。だからこそ、我々みんなの党は不信任案に賛成した。ただ、「復興基本法」も成立していない段階で、不信任案を提出したタイミングにも疑問があったし、自公主導の政局に権力闘争、大連立の臭いも強く感じられたので、自民党から要請のあった不信任案の「共同提出」にも加わらなかったし、共闘を確認する野党党首会談にも出席しなかったのである。党利党略、政局優先の自公とは一線を画すという姿勢を明らかにするためだった。

 問題はこれからだ。我々みんなの党は「アジェンダの党」として、復旧・復興にも原発事故対応にも、しっかりとした対案を示し、国会で議論することにより、国民の皆さんに、我々と民主党政権との違い、菅政権退陣と新しい政権の枠組み作りの必要性を理解していただかなければならない。その意味では、「禍転じて福となす」という言葉があるが、「ピンチをチャンスに変える!」。

 例えば、みんなの党の復興基本法案では、復興院を仙台市に置き、そこに中央省庁の権限、財源をぶち抜いて移譲する、被災地のニーズに応じて即断即決の対策を打てる体制を整備し、その上で、復旧・復興が一段落したら、復興院を東北広域連合へ、さらには東北州へと発展的に改組し、この国の未来を先取りする「地域主権型道州制」の先行モデルにする、そうした大胆な構想を打ち出している。

 また、原発事故の賠償問題でも、単に、東電を賠償義務を履行するだけの「後ろ向きの会社」に留め置くのではなく、むしろ発想を転換し、発送電分離とスマートグリッドの導入により、発電分野への新規参入を促し世界一の電気料金を下げる、太陽光や風力といった新・再生エネルギーの利用を拡大する、いざという時の埋蔵金ならぬ「埋蔵電力」(鉄鋼、化学等の自家発電)を活用し停電を回避する等々、低廉な電力の安定供給や「脱原発依存」を図る「電力の再編自由化ビジョン」も提示している。

 こうした官僚の発想ではなし得ない被災地の復興、いや日本の再生を、ピンチをチャンスに変えて断行する。それこそが政治主導というものではないだろうか。今国会の会期を大幅延長、いや年末までの通年国会にして、こうした建設的なアジェンダを果敢に提案していく。これこそが、党利党略、政争とは無縁な「アジェンダの党」=みんなの党の真骨頂であろう。

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