東日本ルネッサンスを新生日本のモデルに!・・・みんなの党「復興アジェンダ」
2011年5月 9日 tag:
5月2日、震災対応のための第一次補正予算が成立した。一言でいえば「ツーリトルツーレイト」、規模は4兆円で「はじめに財源の制約ありき」の財務省主導予算だ。しかも遅すぎる。
しかし、被災地の皆さんの窮状を思うと、この程度の予算でも早急に執行すべきと考え、みんなの党も賛成した。
今後の正念場は、本格的な復旧・復興を内容とする第二次補正予算となる。報道によると菅政権は、この国会を会期どおり6月には閉め、8月のお盆明けを目途に開く臨時国会に第二次補正予算を提出するという。
その背景には、民主党内の「菅降ろし」の動きと野党からの内閣不信任案提出を封じ込める狙いがあるらしい。仮にそういう意図なら言語道断だ。今国会を延長してでも、早急に、真に被災地の皆さんを安心させ、夢と希望を持てるような政策を打ち出すことこそ、政治の責任であろう。
そのグランドデザインについては、既にみんなの党は「東北大復興アジェンダ」と称して対外的に発表(3月25日)している。その概略を説明しよう。
みんなの党 大復興アジェンダ~東日本復興院構想~
みんなの党は、関東大震災後に、後藤新平をトップとして、未来を先取りした復興を目指し、人々を勇気づける壮大な組織であった「復興院」の故事に倣い、「東日本復興院」を創設し、東日本を新生させる政治の覚悟を示すべきと考えている。
その基本哲学は次の四点だ。
第一に、旧(もと)に復(もど)す「復旧」だけでなく、未来を先取りして新たにまちを興す「大復興」とする。
第二に、行政の縦割りを排除して復興に関わる一切の権限を集約し、日本の英知を結集する。
第三に、与野党の垣根を越えた復興のため、与野党党首、地方自治体の長の声を反映させる仕組み、民間・ボランティア・NPO・NGO の大活用を図る。
第四に、被災地では行政機能が失われている地区もあるので、ある程度の国主導もやむを得ない面もあるが、極力、上からのお仕着せの復興ではなく、被災地の意向を十分汲んだ「地域主権型」の復興にする。
具体的には、まず、復興対策の担当大臣(専任)のもと、内閣府の外局として「東日本復興院」を設置し、その本拠は仙台市に置く。横断的で縦割り行政を排し、東北・東日本地方全体にまたがる諸制度の企画・立案、復興・開発事業計画の立案、発注、実行までを行なう事業体(時限組織)とする。そして、「東日本復興院議員」として与野党党首、自治体代表、有識者が参画し、現場における即断即決の強力な推進体制を作る。
そして、ここで東日本復興のグランドデザインである「東日本復興総合計画」を策定。これに基づく復興事業の会計は区分経理し独立させ、その財源には、これまで説明した埋蔵金(国債整理基金特会、労働保険特会等)、バラマキ予算のカット、国会議員・国家公務員の人件費カット等20兆円をあてる。さらに財源が必要な場合には「東日本震災復興国債」を発行・調達し、日銀の直接引受けも検討する。
既存の制度、枠組みにとらわれない復興とするため、被災地全体を「復興特区」とし、道州制を先取りした復興体制を構築するのがミソだ。したがって、一定の段階で、時限組織である東日本復興院を発展的に解消し「東北広域連合」とし、最終的には「東北州」に改組し、国の権限・財源・人間を全面移譲する。そして、これを「地域主権型道州制」の先行モデルとする。
こうした大きな枠組みを早急に決定し、その覚悟をもって被災地の復旧・復興への決意示す。それが何よりも今の政治に求められているものではないだろうか。後半国会は、こうした前向きな東日本ルネッサンス、ひいては日本再生に向けたグランドデザインとその財源論について、生産的な議論が進むことを心から願う。
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