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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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どうやって4%名目成長を実現していくのか(上)・・・投資促進と技術革新

2011年2月28日  tag:

 これまで、みんなの党がなぜ「4%名目成長」を目指すのか?を説明してきた。今週からは、どうやって「4%名目成長」を実現していくのか、を説明していこう。

 経済成長は、資本+労働+全要素生産性で起こる。大学で習った経済学の基礎中の基礎だ。この方程式によると、我が国では、労働力人口が長期的に減少する中で(女性や高齢者等の就労促進を図っていくにしても)、資本ストックの増強、すなわち設備投資の促進と、生産性の向上、すなわち技術革新を図っていかなければならない。

 したがって、それを促す税制を含む財政政策、規制改革等を進めていかなければならないのだ。だから、みんなの党も、デフレ脱却のための金融政策だけで経済成長が図れる、などと主張しているわけではない。そこは誤解なきようにお願いしたい。

 それではどうするか。

 資本ストックの増強、設備投資の促進では、やはり、法人税率の世界水準並みへの引き下げが不可欠だろう。民主党政権はこの点、来年度から税率を5%引き下げ35%にする案をまとめたが、国際的な大競争の荒波に曝されている日本企業にとっては何の意味もない数字だ。なぜなら、EU諸国は既に30%前後、日本の直接の競争相手、韓国や中国は25%、シンガポールに至っては17%だからだ。

 一気にこの水準にまで引き下げることが難しいなら、少なくとも、今後数年間で20%台にまで引き下げる工程表を政府は明確に示すべきだろう。そうすれば、少なくとも企業はそれを前提に経営方針、事業計画を立てることができる。

 外国投資を日本に招き入れるという意味でも、この法人税率は重要だ。既に、韓国などでは対内投資した会社には5年間時限で税率をゼロ、その後二年間は半減といった制度を導入し、外資導入を促進している。日本も特区制度の活用等により、このような制度を導入すべきだろう。

 同時に、みんなの党は、設備投資の「自由償却制度」も提唱している。現在は、減価償却期間が機械、設備毎に法令で細かく規定されているが、それを企業の裁量に任せるのだ。そうすれば、利益をあげている企業は、単年度で一気に償却することも可能になる。投資意欲もそそられるというものだ。

 「技術革新」では、予算の科学技術、研究開発への重点投資が必要だろう。IPS細胞の研究など日本が先進的な領域では、それを実用化していく支援を政府が国家プロジェクトとして推進していく必要がある。みんなの党は、この点でも「電気自動車の開発」や「人工光合成の研究」を重点項目としてあげている。

 特に、「人工光合成の研究」については、ノーベル化学賞を受賞した根岸英一パデュー大学教授が最近、文部科学省に支援要請したことで脚光を浴びているが、以前から、そのアジェンダに明記していたのは、みんなの党だけだ。

 さらに、経済全体の効率をあげる、生産性を向上させるためには、資本や労働を、非効率な衰退分野から、将来成長が期待できる新規分野へと円滑にシフトしていける税制、財政、規制改革等が必要となる。これは多分に政治的軋轢を産むものではあるが、スウェーデン政府が、それまでの基幹企業であったボルボやサーブを救済しなかったように、非採算・非効率分野を温存していては、いつまでたっても日本経済は復活しない。

 これは「積極的産業調整政策」といって、昔からOECD等である議論ではあるが、現在でも当然当てはまるものだ(次週に続く)。

なぜ名目4%成長が必要か?(下)・・・ドーマーの定理
どうやって4%名目成長を実現していくのか(中)・・・抜本的な規制大改革