そのためにはどうすべきか。みんなの党は、以下のような「戦略的農業産業政策」を打ち出している。
① まず、官僚統制の極みである「減反政策」を段階的に廃止する。
現在は、水田(250万ha)の4割が減反対象だが、将来の自給率向上のための作付け面積確保のためにも減反は廃止。減反を廃止すれば、体力のない兼業農家から専業・主業農家への土地集約化も期待され、生産性の向上にもつながる。
② 減反を廃止すれば確実に米価は下がり、国際的な価格競争力が出てくる。
今、一俵(60kg)15000円前後(今年は急落で12000円前後)が10000円以下に落ちこむだろう。そうなると、中国米一俵10000円前後だから、十分、中国市場で価格競争力が出てきて輸出できるようになる。
③ ただ、それにより農業所得が下落した分は政府が当面補償する。
いくら輸出で数量があがっても、価格が急降下すれば全体の所得としては農家には打撃になる。そこで、これからも農家で頑張ろうという意欲のある専業、主業農家を中心に所得補償(直接払い)し、当面当該農家を支える。
④ 平成の農地改革」「平成検地」を実施する。
一方でさらに、ゾーニング規制の強化や税制の活用等で、兼業農家、特に一家の収入のたった数%が農業収入といったサラリーマン農家や、おじいちゃん、おばあちゃんだけで一代限り、後継ぎがいませんといった農家には、どんどん農地を手放してもらって専業、主業農家に土地を集約化して生産性をあげる。耕作放棄地は農薬や化学肥料が残留しておらず、きれいな土地で有機栽培に最適との声も。
⑤ さらに規制を緩和・撤廃して農業に新規参入を促進する。
株式会社の農地取得を可能にしたり、農業生産法人の要件(役員・出資制限等)を緩める。特に、重機を使える、また農家の次男坊、三男坊の就職が多い建設業は進出しやすい(05年に農地貸し出し規制が緩和されてから09年3月までに349社が新規参入、そのうち建設業が125社)。ちなみに、集落営農は1万3千、生産法人は1万1千と近年急増中。農業を産業にするには法人化が必要
⑥ そして「作ったものを売る」農業から「売れるものを作る」農業に転換
当然のことだが「マーケットオリエンティド(市場指向型)」「勘からデータ」の農業へ。どの企業も行っている市場ニーズに応じた企業戦略を遂行していく。販路も多角化する。今でも農協経由は生産量の半分程度(4兆3千億円)。
⑦ いざ食糧危機、輸出入ストップの時は輸出余力を国内に振り向け。
そうすれば、自給率40%が50%にも60%にもなるだろう。
以上のような戦略的な農業産業政策を実行していく。それが、みんなの党の政策だ。そうすれば、日本の農業も将来の成長産業に変身しうる。
TPPは、原則例外なく10年以内に関税をゼロにするのが目標だ。逆に言えば、10年の猶予期間があると考えれば良いだろう。以上述べたことを10年かけて、工程表を作って段階的に実現していくのだ。
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