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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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農業を成長・輸出産業へ・・・TPP参加(上)

2010年12月 6日  tag: , ,

 資源に乏しく、人材と技術を駆使し「貿易立国」で「国を開いて」生きていくしかない日本にとって、TPP(環太平洋経済連携協定)への早急な参加は必要不可欠であろう。それが、農業県出身で自ら稲作に精を出す代表をいただく、みんなの党の公式的立場でもある。

 TPPは、2010年3月、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、米国、豪州、ペルー、ベトナムの8か国(後にマレーシアも参加)で交渉が開始された。従来のFTA(自由貿易協定)とは異なり、基本的に100%の自由化を目指す。ちなみに、FTAの場合は、自由化例外を10%程度認めるのが通例だ。

それだけにTPP参加には相当な「覚悟」が必要だ。菅首相が、例のごとく、所信表明演説では「参加表明」をしながら、後に党内の猛反発にあって「参加を前提にせずにとりあえず情報収集」といった腰砕けになったのも頷けるだろう。ちなみに、その後、この「へっぴり腰」の民主党政権は、9カ国による交渉にオブザーバー参加さえ許されない状況が続いている。

 そのTPPは、今や米国が主導している。米国の目論見は、2011年11月、米国で開催されるAPEC首脳会議までに交渉を妥結するというものだ。これまで、東アジアで安全保障には多大なコミットしてきた米国も、近年、経済面では必ずしも主導権を握れてはいなかった。そうこうしているうちに鳩山民主党政権によって「東アジア共同体構想」までが提唱されていたのだ。その意味では、このTPP構想は、見事なまでの米国の「一発逆転劇」ではある。

 さはさりながら、日本はこれまで、FTA交渉等で米国、EU、韓国等に相当出遅れてきた。その要因が日本の農業にあることは自明だが、その結果、日本の企業は世界の中で不利な競争条件を余儀なくされている。また、閉鎖的な国内制度、規制の維持が企業の足を引っ張っているのだ。

 その証拠に、FTA相手国との貿易額/総貿易額、すなわち、FTA比率でみると、米国38%、EU30%、韓国38%、中国21%に比し、日本は16%と相当後塵を拝している。特に韓国は、米国、EUとの間でFTA署名に至っており、サムスンの飛躍的な業績アップと日本企業に対する凌駕を例にあげるまでもなく、このままでは、日本企業はグローバルな大競争時代にあって、ますます取り残されていくことは必定であろう。

 だからこそ、今や「農業の再生」とセットで、TPPに早急に参加すべきなのだ。それでは「農業の再生」とは何か。それは我が国農業の足腰を強くし、農業を将来にわたって、成長・輸出産業に育てあげていくことだ。

 OECDによれば、世界の人口は2050年には90億人(現在68億人)に達し、その食糧をまかなうためには、食糧生産を現状より7割アップしなければならないという。まさに食糧危機が叫ばれているのだ。そこに日本の農業の活路がある。

 北京やシンガポールでは、2倍も3倍も高い日本のコメが、おいしい、品質が良いといった理由で飛ぶように売れているという。ちなみに、その中国のコメ消費量は年1億3000万トン(世界消費量の約3割でトップ)、うちジャポニカ米も4000万トンの市場があるという。ここにターゲッティングすれば良いのである(次週に続く)。

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