先週、参議院で、仙谷官房長官、馬淵国土交通大臣の問責決議案が通った。我々みんなの党は、仙谷氏については決議案を自ら提出、馬淵氏については、自民党提出の決議案に消極的に賛成という形で、あえて濃淡をつけた。
その理由は、尖閣問題に関し、一連の事態を主導したのは仙谷官房長官で、その責任が一番重いと考えているからだ。加えて、仙谷氏には、自衛隊は「暴力装置」他数々の暴言、失言もあった。
尖閣ビデオについては、我々は当初から全面公開すべしと主張してきた。そして、犯罪を犯した者に逮捕という毅然とした対応をするなら、既定方針どおり、国内法を粛々と適用し裁判にかけるべきだったと考えている。
にもかかわらず、中国から対抗措置をとられると腰砕けになり船長を釈放、しかし引き続きビデオは非公開、そうこうしているうちにビデオが流出し、事態を複雑化、深刻化した。この「一連の事態」を主導したのは仙谷氏ととらえているのだ。
要は、この問題を「ビデオ流出」や「情報管理」の問題に矮小化すべきではないということだ。そこが自民党他野党と異なる点だし、馬淵氏との扱いに差をつける理由だ。
この問責については、こんな朝鮮半島危機の中で、そんなことをやっている場合ではないだろうとの批判がある。しかし、我々みんなの党は、こんな危機だからこそ、尖閣問題で度重なる失態を演じた仙谷官房長官には、この国を守る、国民の生命・財産を守るという危機管理を、一刻もゆだねておくわけにはいかないという立場なのだ。
仙谷、馬淵両大臣が問責された以上、みんなの党は、両大臣関係の委員会には、出席し審議を行うことはできない。なぜなら「その任にあらず、資質なし」と我々が判断した以上、そんな大臣相手に議論することはあり得ないからだ。
しかし、誤解しないでいただきたいのは、それ以外の所では、むしろ、この国会の会期を大幅延長してでも大いに国政の課題を審議すべし、というのが、みんなの党の立場だということだ。この点、政府・与党民主党は、何が何でも12月3日までの会期で国会を閉める方針のようだがとんでもないことだ。
補正予算は成立したものの、国会で審議すべき事項は山ほどある。みんなの党が提出している法案だけでも、「国会議員の歳費月額3割カット、賞与5割カット、今年の賞与全額返上法案」をはじめ、デフレギャップ解消のための「日銀法改正案」「郵政民営化促進法案」等があるからだ。
しかし、来年度予算案の年内編成に四苦八苦している民主党政権は聞く耳を持たないようだ。おまけに、岡田幹事長は、この問責を奇貨として、約束した、この国会中の小沢一郎氏国会招致も先送りするという。
菅首相は今週末、鳩山前首相と会談して「支持率1%になっても辞めない」と言ったという。予想通りだ。ならば、我々みんなの党が政権を終わらせなければならない。そのためには、一日も早い解散総選挙に追い込むしかないだろう。
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