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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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空虚な言葉を聞いた・・・菅改造内閣の所信表明演説

2010年10月 4日  tag: ,

 「有言実行内閣」。その言葉が空虚に聞こえるくらい、中味のない、具体性のない演説だった。民主党へ政権交代してもう一年、御託を並べたてる暇があったら、それをどう実現するのか、その絵図面、行程表を示さない限り、政権与党の責任は果たせないし、国民も期待しようがないだろう。

 「最小不幸社会」。曲がりなりにも菅首相が、先の国会で、自身の政治理念を語った言葉だった。良い悪いは別として、しかし、それも、今回の演説では跡形もなく消え去り、それを敷衍する政策の提示もなかった。菅政権が発足してたったの4カ月、もうその信念すら捨て去ったというのであろうか。

 「消費税を増税すれば景気が良くなる」と、先の参院選で訴えた路線もどこへ行ったのか。「消費税10%増税」の看板を下ろし、相変わらずの「税制の抜本改革」という、当たり障りのない官庁文学に舞い戻ってしまった。

 民主党の金看板だった「天下りの根絶」についても、政権発足当初の所信表明演説では「取り組みを本格化」させると明言していたが、今回の演説では「天下り」という言葉さえ、まったく出てこなかった。国家公務員の人件費カットでは「人事院勧告を越えた削減を目指す」というのが、代表選の公約だったはずだが、演説では、見事に一言も触れてはいなかった。

 その代わり、「公務員諸君に改めてお願いします。行政のプロとして皆さんの心構えが問われています」と官僚任せ。そこには総理のリーダーシップのかけらもない。結果、肝心の国家公務員法改正案は、この臨時国会への提出さえ危ぶまれている。

 ましてや「脱官僚」とか「政治主導」という言葉も、完全に消えてなくなった。そもそも、自らの統治能力、マネージメント能力の無さから、霞が関、官僚組織に頼らざるをえない菅民主党政権の実情を端的に反映している証左だ。「国家戦略室の局への格上げ」などの代表選公約も、所信表明では一切触れられていない。

 焦眉の急である経済の問題も、雇用、雇用と叫んでいるが、どうやって雇用を増やすのか。当然の話だが、雇用は経済成長の結果として生まれてくる。こうした国際標準、経済の常識からはずれている学者を内閣府経済研究所長に登用したように、この政権で景気浮揚、経済成長を実現することは到底不可能と言えよう。 

 最後に、「主体的で能動的な外交を展開」と言うが、今回の尖閣問題では、その正反対の対応ではなかったのか。最初は、「毅然として逮捕」「国内法を粛々と適用」と威勢の良いことを言っておきながら、最後は、超法規的措置で、問題の船長を「処分保留」で中国に返した。そこには、外交の理念や覚悟のかけらもない。

 民主党政権は、場当たり的で思いつきの政策を打ち出しては、いつも、その結末は尻すぼみ、うやむや、腰砕けだ。やんばダムの廃止も、普天間基地の県外・海外移設も、今回の尖閣問題への対応も然りだろう。

 理念も戦略も定見もない、こうした政権は一刻も早くお暇いただかなければいけない。

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