こんなことをやっている場合か! 国民はそうした目で見ていることだろう。民主党の代表選だ。まさか、私も小沢氏が出馬し、党を二分する戦いをするとは思わなかった。
おまけに、鳩山前首相の突然の「小沢支持表明」だ。その本当の理由は、その解説をしてくれた人物の評(「日々是好日」)に任せるとして、この「政治とカネ」スキャンダルにまみれ、数々の失政を重ねた挙句、つい3カ月前にその責任をとって辞任したコンビが、その舌の根も乾かないうちに、平然と「大義名分」とやらをつけて国政のど真ん中に躍り出てくる。およそ常人の理解できるところではない。
菅政権の「経済無策」「官僚主導」にも憤りを感じる。しかし、こんなことを民主党所属議員が許し、小沢氏を勝たせるなら、今後、民主党は、「KY(空気が読めない)」どころか、「非常識で理解しがたい政党」として、完全に国民に見放されるだろう。
さて、先週、その「経済無策」を書いた。菅首相が先週末、急激な円高に対する「断固たる措置」と、日銀への「金融緩和期待」を表明したことには一定の評価をしたい。が、それもこれも結果次第だ。単なる代表選に向けてのパフォーマンスではしょうがない。
我々みんなの党は、引き続き、代表選があろうがなかろうが、どうなろうが、閉会中審査(円高・株安等経済問題)を含む、早期の国会開会を求めていく。今週、1日には大島自民党幹事長とも会談し、同日中には、野党国対委員長会談を開いて、正式に与党・民主党に要請していくつもりだ。
いずれにせよ、この民主党政権は、誰がトップになるにしても、そう長くは続かないだろう。私が、みんなの党の結党宣言でも書いた「政治理念、基本政策ぐらい一致させた真っ当な政党政治の実現、すなわち、政界再編」は、我々の想定通り、いや、それよりも加速度的に前倒しで、その実現に向けて突き進んでいる。それが、もはや抗し難い「時代の要請」だからだ。
こう言えば、国民の中では「そんな政治家同士の数とりゲームは、もういい加減やめてくれ」との声が出てくるだろう。しかし、何度も言う。今の政党政治は機能不全なのだ。政治は「腐敗」に止まらず「劣化」しているのだ。
それは自民党政治、民主党政治で証明されたではないか。今の政党は「頭と胴体と手足が別々の方向に動く動物」と同じで、重要な政策ほど一歩も前に進められない。これが30年間、霞が関から、官邸から、国会から、政治を見、聞き、経験してきた私の結論だ。
みんなの党を結党した理由が、まさにここにある。我々は四囲の環境、状況変化に動じる必要はない。「アジェンダ」「基本政策(課題)」を軸に、志を同じくする者と「この指とまれ」再編をしていけば良いのだ。その環境は確実に整備されつつある。そして、その上で、いや、同時に、選挙を通じてどんどん「新しい血」を入れていく。
そのための準備を急がなくてはならない。
Copyright(C) Kenji Eda All Rights Reserved.