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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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消費税10%の対立軸・・・民主・自民vsみんな

2010年6月23日  tag:

 菅首相が突然、消費税10%を言いだした。自民党の案を参考にしたという。これで民主、自民とも消費税10%で、我々みんなの党と、また一つ明確な対立軸が生まれることとなった。

 この菅発言の背景は簡単明瞭だ。このままでは来年以降の予算が組めない、政権運営ができなくなるからだ。それもそうだろう。一方で選挙が第一の「理念なきバラマキ」、一方で国民に約束した「無駄遣いの解消」ができない。結果、92兆円という史上最大規模の予算を44兆円という史上最大の借金でつくってしまった。もうにっちもさっちもいかない、首が回らないということだ。

 「理念なきバラマキ」とは、お金持ちにも「こども手当」(5.4兆円=満額)を配り、高校の授業料をタダ(5千億円)にする。農業を今後頑張る人にも頑張らない人にも一律に税金(1兆円)をばらまく。そして、ひたすら大企業の国有化、JALに1兆円、道路会社に1.3兆円、日本郵政に1兆円。これではいくら税金があっても足りない。

 私が常日頃指摘しているように、この民主党政権は、大負担・大借金・大増税の「超大きな政府」で、頑張る人にも頑張らない人にも結果平等で税金をばらまく社会主義路線だ。こんな政治を続けていたら、財政破たん、いや遠からず国家破たんだろう。

 我々みんなの党は、「脱官僚」「地域主権」で国家経営の大リストラを行い「小さな政府」を目指す。「増税の前にやるべきことがある」、国民に負担を求める前に、国会議員や公務員が身を切ることが先決だ。このように「小さな政府」はあくまで行政の組織をスリムにしていくという意味であり、福祉をぶった切るということでは、もちろん、ない。

 むしろ、贅肉をそぎ落とし、無駄遣いを解消したお金を、医療・介護、年金、子育て等に充てていく「大きなサービス」だ。ただ、それだけでは財源が足りないだろうから、我々は4%の名目成長を目指す。

 いわば「成長なくして財政再建なし」「成長なくして社会保障の安心もなし」だ。経済成長で税収をあげて財政再建もし、社会保障の財源も調達する。増税で財政再建を果たした国はない。成長だけが、この多次元方程式を解くことができる。

 たとえば、米クリントン政権は前政権から3500億ドルの財政赤字を引き継いだが、数年のうちにすべて解消した。その間、成長があったからである。日本でも小泉政権は20兆円以上の基礎的財政収支の赤字を引き継いだが、07年には3~4兆円にまで赤字を縮小させた。1.1%の名目成長があったからとされる。

 たった1.1%の成長で10数兆円の赤字が解消する。我々の掲げた4%成長(物価安定目標2%+実質成長2%)だと、数年のうちに基礎的財政収支は黒字化し、その後は、長期金利を上回る成長による税収で、借金の利息分返済をこえて元本返済にまで踏み込むことができるだろう。「ドーマーの定理」によれば、これで借金は収束する。消費税増税の必要性はなくなるのだ。

 ただ、はっきりさせておかなければならないのは、みんなの党は、「地域主権型道州制」導入の暁には、消費税は地方の基幹税とするということだ。消費税は、法人税等とは異なり、相対的に税収に地域的偏在がない税目であるため、地方の税に適しているのだ。打ち出の小槌=消費税を財務省は絶対手放したくないだろうが、我々は、たとえ血が流れても消費税は地方に移譲する。そうすれば、税率は国ではなく地方の自主的判断で決められることになる。

 「超大きな政府」vs「小さな政府」、「分配重視」vs「活力重視」、「社会主義経済」vs「市場経済」、「消費税10%」vs「増税の前にやるべきことがある」等々、民主党とは根本的な政策の違いがあり、参院選後、民主党政権とみんなの党が連立することはない。

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