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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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「政治主導確立法案」審議入り(上)・・・遅すぎる!

2010年5月17日  tag: , ,

 先週木曜日(13日)、やっと、「政治主導確立法案」が審議入りした。昨年夏の民主党マニフェストにあった「国家戦略局」や「行政刷新会議」の設置等を内容とする法案である。

 私は、その本会議場での、総理への代表質問に立った。意外に思われるかもしれないが、これが私の本会議初登壇だった。なぜなら、これまで無所属だったので、その機会を与えられなかったのだ。

 それが「みんなの党」結党で可能となった。ただ、こうした形でみんなの党所属議員が本会議場で法案への代表質問ができるのは、この通常国会の会期中にたったの二回きりだ。これも慣例により、議席数によるドント方式で決まり、あと一回は「郵政民営化逆行法案」となる。この意味でも、次の参院選、衆院選での議席大幅増を果たすしかないと痛切に感じた。

 私の質問は、政権交代後の政治の体たらくを指摘することから始まり、今の政治がなぜ「言ってることとやってることが全然違う」のか、「言ってることもコロコロと変わる」のか。それを「トリプル依存」で説明した。すなわち、「財務官僚依存」に「公務員の労組依存」、おまけに、露骨な利権・利益誘導政治を主導する「小沢幹事長依存」である。

 これに「政治とカネ」の大スキャンダルが襲い、にもかかわらず自浄作用をまったく果たさない民主党。これでは「無血の平成維新」どころか、何十年も前の旧態然たる政治の再来ではないか。

 そして本題に入り、あの政権交代後の高揚感に充ち満ちていた日々から一体何をどう間違えたのか。逐次、指摘をして総理に答弁を求めた。

 まず、スタートダッシュに躓いたのが最大の原因だ。当初は政権発足直後、その骨格人事や基本政策などを策定する「政権移行チーム」を立ちあげる予定だった。また、それを受けて、鳴り物入りの「国家戦略局」を設置する予定だった。それが小沢幹事長の「鶴の一声」で「お蔵入り」になったのである。

 なぜか。それは小沢氏が人事や政策で主導権がとれなくなるからである。「政権移行チーム」のような「大衆討議」で、閣僚や党役員の人事が決められるのはかなわない。予算編成も「国家戦略局」が主導するのでは、後に明らかになる幹事長室への「陳情一元化」と、それに基づく「全国民の要望」を小沢氏が年末行う余地もなかった。そして何よりも、小沢氏と財務官僚の連携プレーを「国家戦略局」に阻まれる可能性もあった。

 とにかく、「国家戦略局」抜きで一度、麻生政権時の補正予算の見直しや事業仕分け、年末の予算編成を財務省に仕切らせたかった、というのが本音である。どの組織でもそうだが、「最初が肝心」で、最初に頼った相手を、その後切るということはできにくい。まさに、「国家戦略局」を昨年設置しなかった最大の理由がここにある。

 その結果、当初目論んだ「政策決定の内閣一元化」は、見事に「幹事長室への一元化」になった。陳情一元化を前提とした「暫定税率の維持」「公共事業の個所付け内示」「料金値下げ財源を流用した高速道路の整備」がその象徴だ。

 当初構想された、幹事長も閣僚を兼務し「内閣一元化」を図る案は潰えた。これも意図的で、菅直人氏が就任を取りざたされた政調会長は廃止しながら、小沢幹事長だけを例外扱いして入閣させなかったのだ。私は、この小沢氏の人事こそが、内閣と党の二元化、いや、党幹事長室への権力集中を招いたと考えている(次週に続く)。

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