21日、やっと麻生首相が解散権を行使した。「破れかぶれ解散」と称する向きもあるようだが、私は「あとは野となれ山となれ解散」と命名する。総理に居続けたいだけの男が、その虚栄心だけで自分だけのために解散する。この国のことはおろか、自民党の行く末さえ彼には関係ない。まさに「「あとは野となれ山となれ」、「あとのことは俺は知らん」解散だ。
しかし、ようやく、これで政権交代をかけた熱い戦いが始まる。今は、民主党絶対優勢の情勢だが選挙の勝敗は最後までわからない。40日間は短いようで長い。気を引き締めて私も戦っていきたい。
私の選挙にのぞむマニフェストはホームページの冒頭にアップした。これまでの私の政治家としての集大成がそこにある。是非、お読みいただければ幸いである。そこで、良い機会なので、これから選挙告示前の5回にわたって、政策分野毎に私の考え方を述べていきたい。
その第一回目は「地域主権」だ。橋下徹らの問題提起で、この言葉を聞いた国民も格段に増えたことだろう。しかし、意外に、その内実は知られていないのではないか。我々国民運動体は、ご承知のように、「脱官僚」と並び、この「地域主権」を大きな旗印に行動してきた。ナビゲーターに名前を連ねる、この分野の権威、唱道者である江口PHP総合研究所社長の存在も大きい。江口氏は、官邸の「道州制問題懇談会」の座長も務めている。
「地方分権」という言葉がある。「分権改革」とも言われる。しかし、我々は使わない。あくまでも「地域主権」だ。なぜなら、「分権」という言葉には、自ずから「国から地方へ権限を分けてあげる」という「上から目線」がある。そうではなく、国民に主権がある、この国では、まず、その地域の住民に主権があるというところから我々は発想する。そういう意味を込めて「地域主権」と言っているのだ。
また「地域」であって「地方」でもない。東京は地方か?いや、都会、地方含めて、地域住民が地域のことを決められる「国のかたち」にしなければならないのだ。
だから、我々は「補完性の原則」から出発する。すなわち、権限、財源、人間の「3ゲン」はまず、原則、基礎自治体(市区町村)に移譲する。そして、基礎自治体ではどうしてもできない、適当ではない仕事は「道州」にやってもらう。最後に、基礎自治体でも道州でもできない、適当ではない仕事を国が行う。例えば、外交や防衛、国会財政や金融等マクロ経済政策、社会保障のナショナルミニマムのような仕事だ。したがって、基本的な仕事の流れは「基礎自治体」→「道州」→「国」となる。今はこの逆の流れだ。
この点で、今、政府・与党が検討している「道州制」はエセ「道州制」だ。なぜなら、その「道州」とは単なる都道府県の合併であり、相変わらず、この「道州」を使って、国(中央)が地方をコントロールしようという発想にすぎないからだ。この場合、「3ゲン」は不十分なものしか地域には降ろされず、国の中央省庁は温存される。
我々の「地域主権型道州制」を導入すれば、したがって、必然として「中央省庁の解体」となる。何も「霞が関を解体するんだ」と意気込むこともない。「地域主権型道州制」を導入すれば国の仕事は上記のものに限られるからだ。
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