繰り返し言う。次の選挙では政権交代が至上命題だ。ただ、民主党中心の政権になったからといって日本の将来が「バラ色」か、というとそうではない。「自民はどうしようもないが民主で本当に大丈夫か」という国民の声があるように、公務員の労働組合に応援されている議員が多い民主党に、本当に公務員の削減や行革ができるのかという疑念は消えない。
さらに、自民党以上に党内バラバラの民主党で本当に官僚主導の政治は改まるのかという不安もある。霞が関・官僚にとって一番都合が良いのは、同じ党内でありながら政治家同士が互いに足を引っ張り合うことだ。最後には官僚が出てきて「先生方、ご苦労様でした。この辺で足して二で割ってこんな線でまとめたら如何でしょうか」といって、当たり障りのない、さして効果もない政策が羅列される。これでは、世界一の少子高齢社会の日本がこれから生き残ることはできないのだ。自民党右派から社会党左派までそろっている民主党に、自民党の二の舞にはならないという保証はあるのか。
だから、こうした民主党が、政権をとった暁にも、マニフェスト通りの政策をやるのかやらないのかを監視し、必要があれば、その「尻をたたく」役目のグループなり政党があった方が良い。今は、政権交代目前だから、民主党内の反対派もおし黙っている。本当は「脱官僚」で天下りを全面禁止したり、公務員の削減をしたりすることに内心は反対なのに、政権獲りまでは国民受けをするから黙っていよう、しかし、政権をとったら、言うべきことは言わせてもらおうという人がたくさんいる。こういう人たちが、政権運営を始めた途端、声を出して反対し始めるのだ。
一方で、自民党が下野すれば、今は選挙前で動けない、自称「改革派」の面々も、さすがに自民党から出てくるだろう。要は、この国にとって、「官僚国家日本」を変える、それが至上命題なのだ。贅沢を言ってはいられない、というのが今のこの国の政治の惨状だ。功名心や自己顕示欲、ポスト狙いではなく、本当に「脱官僚」「地域主権」を実現しようという人は少ない。であるならば、人の好き嫌いではなく、連携すべきところは連携して、この国のかたちを変えていこうというのが正しい選択だろう。
そういうスタート台になるかどうか。この国の将来を本当に左右する分水嶺、その総選挙がいよいよ間近に迫っている。
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