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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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3年後に消費税増税は責任ある対応か

2008年12月22日  tag: , ,

来年度予算編成にからみ、麻生政権は「3年後の消費税増税」を閣議決定するという。経済危機に対応するため「バラバラバラとお金を使う」(与謝野経財相)以上、将来的な財政規律を確保しておかないと責任ある政治家の対応ではない、からだそうだ。一部メディアも同調している。

 具体的には11年度から5年間で段階的に消費税を引き上げ、最終的には10%にするという。本当にこれが責任ある政治の対応なのか。

 確かに、世界一の少子高齢社会の日本で、今後、医療・介護、年金等の社会保障費が天文学的に増えていくのは事実で、そのための財源に将来的に消費税の増税をしなければならないことは確かだろう。国民もそのぐらいのことはわかっている。

 ただ、「その前にやるべきことがあるだろう」と国民は言っているのだ。すなわち「増税の前に(国民に負担を求める前に)国会議員や官僚が率先して身を切るべきだ」と。この国民の声に応える覚悟も気も更々ない政治家に、消費税増税を訴える資格はないと私は常々言ってきた。そして、今の麻生首相にその資格がないことは、ここで一々説明するまでもなかろう。

 だからまずは、国会議員や官僚の利権、既得権益を根こそぎにすることが先決だ。議員や役人の数を大幅に削減し、税金の無駄遣いの元凶である天下りを全面禁止、特別会計や独立行政法人に眠る埋蔵金(へそくり)も一円残らず掘り出す。常に政治腐敗の元となってきた政治家個人への企業・団体献金も、細川内閣当時の約束どおり完全に禁止する。3年後に増税というなら、こうした行政改革、政治改革の工程表を、すなわち、いつまでに何をどうするのかを具体的に明らかにするのが当然のことだろう。

 そして、もう一つ不可欠なことは、当たり前のことだが、その消費税増税で得たお金を何に使うのかを明らかにすることだ。一応、口先では「医療・介護、年金、子育て」にすべて使うと言っているようだが、具体的に何にどのくらい使うのか。それがはっきりしないといくら財源が必要なのかもわからない。

 特に、この社会保障の分野では、今の後期高齢者医療制度をどうするのか、救急車たらい回しや医師不足への対応は? そして医療制度の一元化は? 年金では基礎年金に税方式か保険料方式か、その一元化は? 年金記録問題の解消は? さらに介護報酬のあり方は? 少子化を反転させる子育て支援の抜本的強化策は?等々課題が山積している。これらの政策の方向付け次第では財源の多寡も大きく変わり、そもそも3年後の消費税の率も決められないはずだ。

 昔、細川首相は「国民福祉税構想」を深夜の記者会見で明らかにし、その税率(7%)を追及され「腰ダメの数字」と白状するしかなかった。それと同じ言葉を今回の「消費税増税閣議決定」に捧げたい。増税の前に「乾いた雑巾をさらに絞りこむ」税金の無駄遣い解消の道筋も明らかにせず、増税した財源を具体的に何に使うのかも示さない。したがって、どんな行政サービスにどれくらいお金がかかって、その財源がいくら足りないのかもわからない。これでは3年後に国民に増税を飲めという方が土台無理な話だろう。ましてや「責任ある政治の対応」とは程遠いように私には思えるのだが、如何であろうか。

もう黙っちゃいられない!中田横浜市政・・・このご時世に増税
やっと政治が変わる!・・・そして何をなすべきか?(上)