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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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都市再生機構(UR)を廃止または民営化せよ

2008年9月 1日  tag: ,

 全国の賃貸住宅の管理や都市再開発を担当している都市再生機構(UR)という独立行政法人がある。同機構は今では、国交省の官僚を中心に、天下りをさせるためにあるとしか言いようのない団体だ。

 2008年7月現在の役員は、理事長と理事長代理が旧建設省出身、理事には国土交通省の局長経験者二人と財務省の局長クラスが一人、監事にも国土交通省出身者が1人といった状況だ。

 同機構はもともと、1941年に設立された「住宅営団」で、GHQに解散させられた後、1955年に「日本住宅公団」として再発足した。その後、高度成長時代も終わり、その必要性が疑問視されるたびに、「住宅都市整備公団」「都市基盤整備公団」と名前を変えて延命してきたのだ。

 おまけに、無駄な事業の失敗が雪だるま式に負債を増やし、たとえば全国150地域で展開したニュータウン事業の損失を含めて、その総額は14兆円以上(06年度末時点)にも上った。まさに道路公団と同じような構図がここにある。

 戦後は極度な住宅不足だった。同機構は住宅に困窮する勤労者のために住宅、宅地の供給をしてきた。たしかに、その当時は存在意義はあったのだろうが、はたして現在も、これだけの体制(職員4000人以上)で、多額の公的資金(毎年1500億円以上)を投入してまで、存続させる必要があるのだろうか。官邸の「行政減量・効率化有識者会議」でも「民間や地方公共団体でも十分できるものまで行っているのではないか」と指摘されている。実際、不動産業者等からも、民業を圧迫しているとの批判が出ている。

 しかも、傘下の関連会社(28)、公益法人(9)といったファミリー企業・団体(職員数はあわせて4000人以上)を養うために、既存の建物の階段を付け替えたり、歩道を張り替えたりと、無駄ともいえる工事を今もやっているのだ。こういった関連会社は、URから何百人という単位で再就職者を受け入れている。

 URの賃貸住宅は、貧しい人たちへのセーフティネット機能と社会的に必要な賃貸住宅ストックの維持が目的とされているが、事業内容のほとんどは、民間の賃貸住宅と同じだ。しかも、セーフティネットというが、本当に生活に困窮している人が払えるほど、家賃も安くはない。そういった人は、より家賃の安い市営や県営の団地に流れる傾向にある。

 既に社会的にも役目を終えたURは、廃止または民営化すべきだ。そうすれば、URの下にある子会社のような関連会社や公益法人も自然と淘汰されるはずだ。

 ただ、07年末の独立行政法人改革の際、当時の渡辺喜美行革担当大臣は、URを改革の目玉にしようと頑張ったが、国土交通官僚や族議員の猛反撃で「政策目的に沿って業務の見直しを行った上で、これらの業務に即した組織形態を検討し、3年後に結論を得ることとする」とされ、民営化を含めた組織見直しは、三年後に先送りされてしまったのである。

埋蔵金はいくらあるか・・・一円残らず掘り出せ!
国民はご祝儀相場戦術にだまされるな!・・・ もう政界再編しかない