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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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若手官僚よ、決起せよ!・・・率先して身を切れ!

2008年7月28日  tag:

 「脱藩官僚の会」は、設立にあたって、現役官僚、特に若手官僚の決起を促す緊急アピールを出した。「官僚バッシング」が吹き荒れる中、官僚への国民の信頼を取り戻すには、「自ら、天下りの全面禁止や税金のむだ遣いの一掃に取り組め」というメッセージを込めた。

 世は「官僚バッシング」の時代である。何か官僚でいること自体が「犯罪者」であるかのように扱われ、世間から白い目で見られているのが実情だ。度重なるスキャンダルや税金のむだ遣いを一々あげつらうまでもなく、それには十分すぎるほどの理由があり、まさに官僚の「自業自得」なのだ。霞が関、官僚への国民の信頼は、今まさに地に落ちたと言うべきであろう。

 霞が関、官僚は、こうした自らを取り巻く、この厳しい現実に真摯に向き合うべきである。そして、自発的に、内在的に、自らの身を厳しく律し、身を切る覚悟を示さない限り、決して、国民の信頼を回復することはできないであろう。そのことを改めて肝に銘ずべきだ。具体的には、天下りの全面禁止や公務員数の削減、特別会計における「埋蔵金」の発掘、官製談合の廃止、税金の無駄遣いの一掃等だ。

 相変わらず、若手官僚の夜は遅い。いや、朝帰りも頻繁だ。何もさぼってダラダラと残業をしているのではない。昨年の通常国会で成立した約110本の法律のうち、約90本が閣法(内閣提出法案、すなわち官僚が作成した法)なのだ。

 私も通産省の若手官僚時代、何十本という法案を作らされた。なぜ新法が必要なのか、から始まって、章立て、条文の書き下し、「てにをは」に至るまで、法匪と言われる内閣法制局の厳格な審査と非生産的な各省折衝、そして、法案の国会提出と閣僚の答弁資料の作成等々、ひとたび法案作成担当になると、少なくとも半年以上はサービス残業の嵐、常習的な朝帰りとなる。

 私の場合、官房総務課(法令総括、組織・行革担当)にいた26歳~29歳まで、月200時間残業が当たり前だった。そして、残業手当は、組合が強いものだから一律2万円。時給100円の世界でも頑張れたのは、まだ、官僚が国を動かしている、日本は政治は3流だが官僚が一流だから、という国民の評価があったからだ。

 しかし、官僚を取り巻く環境は一変してしまった。このままでは、いくら官僚、特に若手官僚が、法案作成作業等で連日の徹夜残業を強いられようが一生浮かばれないだろう。霞が関、官僚はそこまで追い込まれている。

 天下りを禁止すれば霞が関に優秀な人材が集まらなくなると言う人もいる。しかし、何も我々は、「天下り」をしたいと思って役所に入ったわけではない。一部例外は別として、少しでも国家、国民のために役立ちたいと思う、その一心で役所に入ったはずだ。今でも、大部分の官僚はそうだと私は信じている。むしろ、官僚バッシングが続き「誇り」の持てない職場に、今後、優秀な人材が集うはずもない。

 国民の皆さんにも言いたい。霞が関、すなわち、国民の税金で養われている行政府の士気が落ち、機能不全になれば、それ自体が「無用の長物」化し、壮大な「税金の無駄遣い」ともなるのだ。

 そのことに思いをいたし、我々「脱藩官僚の会」は、今後、あらゆる機会を通じて、「公僕たる官僚」への脱皮、「国民本位の霞が関」への変革に向けて、具体的な行動を起こしていく決意であるが、同時に、現役官僚諸君の覚醒、特に若手官僚の決起を、ここに強く促すものである。我々は、そのような「内からの革命」に身を投ずる現役革新官僚がいるなら、彼らと連携し、その支援を惜しまないつもりだ。

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