今後の政局・・・ (2) 解散総選挙は今年の秋
2008年4月28日 tag:
先週の「政局予想」から一週間がたって、「一寸先は闇」の政界の割には、その通りの状況が進捗している。福田政権の「毒喰らわば皿まで」の国会運営は着々と進行しているし、山口補選は、一時、自民党候補猛追という局面もあったが、順当に民主党候補の勝利で終わった。これで小沢民主党は当面、安泰だろう。
さて、洞爺湖サミットや北京オリンピックが終わった9月といえば、民主党代表選がある。その場合は、無投票当選は次期総選挙勝利には得策ではないので、党内活性化と世論へのアピールのためにも、小沢氏以外の対抗馬も出馬するだろう。
本来なら、メディアがその民主党代表選をカバーしてもいいはずだが、しかし、それを手をこまねいて見ている自民党ではない。多年にわたり政権を維持してきた老練な自民党は、そこに自民党総裁選をぶつける(福田政権が続いているなら、内閣改造をぶつける)のである。
どうしても、メディアは政権与党の方に注目するので、それなりに総裁選は盛り上がる。そして、そこで誰が選ばれようが、新総理・総裁が組閣すると、「ご祝儀相場」で少なくとも50%以上の支持率は得るだろう。日本の国民は心優しいのである。
そこで解散するのである。組閣である程度清新な人材も登用し、10月の臨時国会冒頭、「所信表明演説」で新内閣の方針を示した上で、直後、その信を問う形で解散するのである。投票日は、11月2日とか11月23日と、まことしやかに囁かれている。なぜなら、その日は3連休の中日で投票率が低くなり、自民党にとっては好都合だからである。
そうなると、支持率50%以上ある新政権で、公明党支持層の支援も得る自民党に、民主党が勝つのは至難の技となる。自民党は衆院2/3の絶対多数は失うものの、過半数は十分確保できる可能性が高い。
そうなれば、「直近の民意が民意」と叫び続けてきた民主党のセリフをそのまま返し、自民党は例え2/3の「伝家の宝刀」は失っても、今よりも余程スムースな国会運営ができることになるだろう。一方、総選挙で敗北した民主党の方は分裂必至となる。
こういうシナリオもあえて想定して、政権をとる準備が民主党にはできているのか。本当に政権交代を実現しようというなら、とにかく「一致結束で解散総選挙に向け頑張ります」以上の大きな戦略、戦術が必要ではないのか。衆院選といえば、小選挙区は「政党より人」で、個人の後援会の組織力で勝つ場合も多い。それが自民党の底力でもある。
いずれにせよ、今の政治は絶対に変えなければならない。やれ道路だ、やれ新幹線だという「土建利権政治」を打破し、国民本位の政治を実現する。お年寄りや障害者といった「弱い者」いじめをやめ、医療や介護、年金、子育て支援といった国民の生活に、限られた予算を優先的に振り向ける。その財源は「はじめに消費税ありき」ではなく、徹底した税金のむだ遣いの解消や埋蔵金の発掘、官僚の天下りの禁止等で捻出する。そういった政治を実現しなければならない。
そのためには、自民でも民主でもない選択肢、受け皿を造り、国民の期待に応えるしかないのだ。それが、私をはじめ「政界再編論者」の、次の解散総選挙に向けた責務だと考えている。
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