自民、民主の得点競争を!・・解散総選挙へ向けて
2007年8月 6日 tag:
安倍首相は、最大の危機管理の正念場をしくじったが、ただ、このまま、民主党の一本調子での政権奪取への道筋が描かれたわけではない。
民主党は、今回の選挙で、「自民には入れたくない」層の受け皿にはなり得たが、何も、民主党自体が積極的に支持されたわけではないことを銘記すべきだ。勝ってもおごらず、謙虚に「生活が第一」を国会で実践していくべきだろう。
大方の見方は、小沢党首は「この民主党ブームは長続きしない」とし、早期衆院解散に追い込むために、参院で徹底抗戦を図るというものだが、何でもかんでも「寝転がって」反対、サボタージュを図るようだと、国民の目が厳しくなる。与党・自民党もそこが狙い目だ。民主党は、これで、自民、民主イーブンで、新たなスタート台に並んで立った、ぐらいに考えていた方がいい。
いずれにせよ、自民、民主の二大政党が、次の総選挙を強く意識しながら、時には「民主党案の丸飲み」、互いの実利をとった「法案の修正」等を折り込みながら、真に国民の立場にたって、どちらが得点をあげていくかの競争になってほしい。それが、今回の選挙で民意が与えた両党への負託のように私には思える。ゆめゆめ、党利党略に終始するようだと、いよいよ国民の政治不信、政党不信は極限まで高まっていく。
そういう中で、選挙後の政局は何でもありだ。理屈や過去の事例からはいくらでも推測はできるが、現実に、この選挙結果を突きつけられれば、次の選挙に向けて、議員のお尻に火がつく。あり得ないようなことが起こるのも、政界の常だ。そうした中で、政界再編も起こりうる。
前号で、私は、いずれ安倍首相は退陣に追い込まれる、次の衆院選挙を安倍首相で戦うことはないと書いたが、仮に、安倍首相が何が何でも居座り、支持率も地を這うように低下し、解散総選挙を迎えるようなことがあれば、「安倍と心中するつもりはない」勢力が、決起することが考えられる。
「加藤の乱」(実際は不発)の時のように、野党提出の内閣不信任案に自民党議員が大挙、賛成するような事態も考えられるし、そこまでいかなくても、選挙直前に、何人かの自民党議員が新党を結成し、民主党と連携を標榜し、選挙にのぞむことも考えられる。
また、民主党は基本的には割れるようなことはないが、大勝した勢いで小沢氏の性格が党運営に色濃く反映されるようになれば、それに反発する若手議員の動きも注目されよう。
いずれにせよ、私としても正念場、大きなチャンス到来といったところだ。議会が政党政治であること十分認識していながら、「今の政党は政党の体をなしていない」「機能不全だ」と言い続けて、無所属を貫いてきた。しかし、今後、起こりうる政局激動、政界再編への流れの中で、自らを置く立場をはっきりできたら、と考えている。
そういうチャンスを与えてくれた今次参院選への有権者の意思表示に心から感謝したい。
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