ダラダラとした政治が続く・・・補選1勝1敗
2007年4月23日 tag:
参院補選(沖縄と福島)が1勝1敗で終わった。まるで、この夏の参院選の結果を想わせるかのようだ。どっちもどっち、面白くも何ともない、ダラダラとした政治が続く予兆かもしれない。日本にとっては不幸なことだ。
そのような緊張感のない国政の状況を反映して、安倍内閣の支持率が少し上がった。直接的には、日中首脳会談へのメディアのカバレッジが、ちょうどニュース枯れで予想以上に大きかったのが要因だろう。天下りあっせん禁止の人材バンクの創設でも、対自民党、対霞ヶ関で、内閣として守るべきラインは守ったという評価もあるかもしれない。
しかし、一番の理由は、最大野党、民主党のふがいなさだ。自民党の敵失で、攻める絶好の機会が到来しても、自ら同じ理由で「こける」。「対案」路線なのか「対決」路線なのか国会戦術もぶれる。国民投票法でも少年法改正でも、ギリギリまで与党と協調して法案とりまとめに動きながら、小沢代表の鶴の一声で決裂させ、反対に回る。
その小沢代表といえば、一体何をしているのか。これまで、今国会で一回も安倍首相との党首討論に応じていない。そもそも「党首討論」は小沢氏が提唱、実現させた制度だ。にもかかわらず、参院選対策と称して、地方行脚の毎日だ。一年で、これだけは出席しなければならない予算案の衆院通過の本会議も、深夜に及んだため、翌日の都合で採決を欠席した。
こんなことで有権者の理解を得られると思っているのか。相変わらず、「土建選挙型」の組織締め付け選挙で、旧い自民党的手法そのものだ。民主的な討論を避け、予算案採決まで欠席して、いくら選挙対策を講じても政権交代はないと断言したい。有権者は見てないようでしっかりと見ているのである。民主党の一刻も早い覚醒を待ちたい。
だから、安倍内閣も、一種の開き直りと余裕で、歯車が多少回り始めた。先の支持率の若干の反転がその証拠だが、このままいくと、光熱水費への領収書添付義務づけで指導力を印象づけ、極め付けは、参院選直前の内閣改造、具体的には松岡農水大臣の更迭だろう。安倍政権の参院選に向けた戦術が段々見えてきた。
一方の民主党といえば、幹部も含め、小沢代表頼みという状況が変わらない。いや、参院選までは何が何でも小沢代表でいくしかないというのが幹部のコンセンサスだ。しかし、具体的な確証をもった期待感があるわけではなく、「小沢さんが政治家最後のチャンス、賭けと言っている以上は、何か参院選前までに仕掛けていくのではないか」という漠とした期待感でしかない。
有権者は、特に都会の無党派を中心に、票を「入れるところがない」といった状況である。そういう中で、このままいけば、夏の参院選の投票率は低く、結果も自民も民主もそこそこといった最悪の結果になりかねない。そして、自民、民主の党首も変わらず、政界再編も起こらず、ダラダラとした「エセ二大政党制」が続くことになるのだろうか。
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