中田横浜市政を憂う(2)・・・どこが改革派なのか
2007年3月26日 tag:
二期目に入った中田市政がおかしい。昨年、はじめて発表された総務省の統計で、横浜市は県下一の借金王で、あの破たんした夕張市に近づきつつあるというのに、今、横浜市では、やれ「サミット」だの「開港150周年」だの、市長の音頭取りで、市民生活に何ら関係のない、いやデメリットさえある事業に、2~300億円の税金が投入されようとしている。
先日など、朝日、読売等すべての全国紙に、市長の顔、全身写真入りの、選挙ポスターかと見紛うばかりのサミット誘致全面広告も出た。これだけで何千万円の税金の無駄づかいだ。ちなみに今現在、サミット(先進国首脳会議)は、北海道の洞爺湖が最有力候補となりつつある。
そもそも、二期目の中田市政は、昨年春、町田市長選にからみ、市役所ぐるみの選挙違反事件で始まった。市長側近らが罪を問われ、市長を含む88人が処分を受け、200人以上の職員が警察に事情聴取され、この間「市政の停滞は著しく、市民からの信頼を大きく損ね、事件に無関係の多くの一般職員の士気を低下させた」(神奈川新聞)。報道では市長自らの関与も取り沙汰された。
さらに良くも悪くも、一期目の中田市政で脚光をあびた「住基ネットの横浜方式(住民選択制)」は、二期目に入り、市民への説明責任もなく、いとも簡単に一方的に撤回された。
最近では、市長が入居する官舎(洋館仕立ての二階建て)の家賃がタダだったことも、報道で判明した。役人や議員の宿舎等への低家賃入居が批判されている今日、タダなぞ論外だが、これなどは中田氏の「他人に厳しく自分に甘く」の象徴的事例だろう。
これまでも、退職もしていないのに、自分の退職金(一期分4200万円!)となると堂々と受け取る。宮城県や長野県の知事は、その不合理さから「退職金返上」を表明している。本来1人でいいはずの副市長(助役)も、「トップマネージメント改革」と称して4人に増員する。最近では、行革の観点から、1人も置かない自治体もあるというのに、である。
閣僚が、その地位や権限を利用することとなるので好ましくないとして自粛(閣議決定)している資金集めパーティーも、同じ権力者たる市長が、発起人におびただしい数の利権・圧力団体の長の名を連ね、毎年、大々的に行う。一回で4000万円以上を集め、国会議員を含め県内トップの集金力を誇っている。市長になぜ、これほど多額の政治資金が必要なのか、私には全く理解できない。
これ以外にも、中田市政への疑問や疑惑は尽きない。
冒頭ふれた「開港150周年事業」では、記念イベントの開催や広報、「象の鼻地区」への公共事業の投入、おまけに悪乗りとしか言いようがないが、十数年来、財政悪化で凍結されてきた市役所の建て替えまで行うという。これに、あわせて200億円近くの予算が組まれている。しかも、虎の子の「財政調整基金」(イザという時の積み立て)を取り崩してまで行うというのだ。
150周年を祝いたければ地味に祝えばいい。単に、市長の晴れ舞台を用意し、「やった、やった」の政治家の功名心を満足させるだけの事業を、一体、誰が望んでいるというのだろうか。
中田市長肝いりの「G30」(ゴミの減量計画)にも、細かく分別しても、結局、一緒に処分されているのではないかとの疑念が、今、市民の間で拡がっている。そして、環境負荷の低減のために導入した政策が、かえって、ゴミ収集車の運送コストや排出ガス等で、逆に環境に負荷を与える結果になっているのではないかとの指摘もある。これもそれも、G30の費用対効果の情報公開がなされていないからだ。さらに、一部報道では、産廃施設建設のための市有地払い下げをめぐる官製談合疑惑もある。
石原都政も二期目で傲慢になったといわれる。中田市政も、今や「市民不在のやりたい放題の税金のムダ遣い」という様相を深めつつある。しかし、それをチェックすべき横浜市議会が、自民も民主も一緒になったオール与党体制で、まったく市長の暴走を止められない。それどころか、選挙応援を得たい下心で媚びへつらっているのが現状だ。
来月4月8日行われる市議会議員選挙は、議会が市政を監視、チェックするという当たり前の機能、役割を果たすために、誰を選ぶかが、大変重要な選挙となる。
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