頑張れ!渡辺行革相・・・押し付け型天下りの禁止
2007年3月19日 tag:
官僚の天下りの禁止を訴えてきた私にとっては、それが現実になるかどうかという事態が今、進展している。
そう、安部首相が「予算や権限を背景とした押し付け型の天下りは根絶しなければならない」という方針を出し、それを受けて、渡辺喜美行政改革担当相が、各省庁による「天下りの斡旋、仲介」の全面禁止を提案したのだ。
個別省庁による天下り斡旋の代わりに、内閣府に一元的な「人材バンク」を設け、そこで利害関係なく民間に再就職する仕組みにする。
しかし、この案に対しては、既得権益、すなわち、「大蔵一家」「通産一家」といったOBも含めた官僚の互助会システム、終身安泰システムが崩れるのを恐れる霞ヶ関連合軍をバックに、早速、強烈に反対する閣僚や与党幹部が出てきた。渡辺試案のように最終的に決まるかどうかは予断を許さない。
そもそも、官僚の天下りの弊害、その本質は、単に、その役所の天下り官僚が、その親元の役所の契約や行政処分等に口利きし、不正を要求すること等でその行政をゆがめるということだけに止まらず、その役所が天下り先を確保するために、不要な権限や組織(独立行政法人等)、補助金等を維持し、あるいは、それらを新設すること等により、税金の無駄遣いを助長することにある。
したがって、天下ったOBが口利きをしたり、不正を要求する行為を禁止し罰するだけでなく、こうしたシステムとしての、天下り禁止措置が必要とされるのだ。
ただ、何が「押し付け型天下り」なのか、定義をはっきりさせる必要があるし、これまで私が質問主意書で問いただしてきた結果、「押し付け型」はないとの政府の事実認識も、この際、改める必要がある。実際は、各省庁で、事務次官や官房長が「早期勧奨退職制度」(いわゆる「肩たたき」)を使って、キャリア官僚を50歳前後で退職させ、その代わりに、天下り先を斡旋、と言えばまだ聞こえは良いが、半強制的に企業や団体に押し付けてきたことは明々白々だからだ。
また、内閣府に設置される「人材バンク」による官僚の再就職についても、その「人材バンク」を隠れ蓑に、実際上は個別各省庁が、従来どおり、その予算や権限を背景として「人材バンク」を通じた個別の再就職案件に影響力を行使することを、何らかの措置で遮断しなければならない。各省庁個別の斡旋はなくすといっても、実際上、この人材バンクに各省庁の人事担当者が入り込み、「体の良い隠れ蓑天下り機関」になるようだと、その時こそ、この人材バンクの廃止を含め、天下りを全面禁止するべきだろう。
そういう問題意識や疑問点等を含め、先週末、「押し付け型天下りについての質問主意書」を安倍首相あて提出した。是非、安部首相にも渡辺行革相にも初志貫徹、今度こそは腰砕けにならないよう最後まで頑張ってほしいものだ。
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