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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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『橋本改革は小泉改革の礎』・・・この流れを止めるな!

2006年9月25日  tag:

 五年半にわたる小泉政権が終わる。各方面でその総括・検証が行われているが、なぜか、あの「橋本改革」が「小泉改革」の礎になったことへの本格的な分析がない。旧橋本派(現津島派)が、小泉首相の構造改革路線、すなわち「自民党をぶっ壊す」、その標的になったからか、晩年の橋本氏の「一億円ヤミ献金問題」等の影響もあるのか。

 しかし、いずれにしても「小泉改革」の分析・評価のためには、その先駆となった橋本改革への理解が必要不可欠だし、安倍新政権への注文も、橋本・小泉と流れてきた改革路線への評価と反省なくしてはできない。

 まず「礎」の最大のものは、橋本政権が中央省庁再編の一環として実現した「官邸機能の強化」策だろう。特に、小泉首相が、道路公団や郵政三事業の民営化等で駆使した「経済財政諮問会議」の存在が大きい。
 また、案外知られていないのが、内閣法の改正までして設けた「首相の基本方針発議権」だ。これで、それまでの事務次官会議→閣議というボトムアップの意思決定過程が重要政策では変更され、首相自らの閣議への提案によるトップダウン方式も可能となった。

 郵政三事業の民営化も、本来の所管官庁である総務省ではなく内閣で法案を立案し、この「基本方針発議権」に基づき閣議に発議され、政府決定されたのである。これまで小泉首相が推進してきた官邸主導の政治は、その個人的資質に負うところもあるが、やはり橋本政権が用意した武器を縦横無尽に使うことができたことが大きい。

 小泉改革最大の成果「不良債権の処理」も、橋本政権が進めた「金融ビッグバン」があったからこそ達成できた。この「一大規制改革」で国際競争の荒波にさらされた日本の金融機関は、予想だにしなかった旧財閥の枠組みを超えての合従連衡を繰り返し、今のメガバンク体制となった。この体力増強・体質改善と、長年染みついた「護送船団行政」への決別がなければ、とても不良債権の強引な処理という荒療治はできなかっただろう。

 地方分権を進めた「三位一体改革」も、橋本政権時に策定した「地方分権推進一括法」その主眼となった「機関委任事務の廃止」の基盤の上に立つ。それまで国と地方を主従関係に置いていた事務を廃止することで、国と地方自治体の関係が対等となり、「地方の自立」や「国から地方へ」へという流れが、財源移譲も含めて急速に高まったのである。

 小泉首相が政治家として執念を燃やした「郵政民営化」も、橋本内閣時に「郵政公社化」という民営化への一里塚を記していたからこそ、最終的に民営化までこぎ着けられたと言えよう。「郵便事業への民間参入」も含め、この時の実績をスタート台に、小泉首相も念願の郵政民営化を実現したのである。

 「官から民へ」「国から地方へ」は、何も小泉政権の専売特許ではない。橋本氏と総裁選を二度も戦った小泉首相は表向き決して認めないだろうが、「橋本改革」が追い求めて出来なかったもの、それを小泉首相がバトンタッチして、より「局地戦」に持ち込んで実現したと言えよう。小泉首相はもう少し橋本氏に感謝しても良い。安倍新首相にも、ゆめゆめ「格差問題」を口実に昔の「バラマキ政策」に戻そうとする勢力に妥協することなく、「改革の炎」を燃やし続けてほしいものだ。

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