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江田けんじ 衆議院議員 神奈川8区選出(横浜市青葉区・緑区・都筑区)

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『自民党に人材はいないのか!?』・・・自民党総裁選

2006年9月11日  tag:

 自民党総裁選が始まり、予想通り、安倍、麻生、谷垣の三氏の争いになった。それぞれ立派な方なのだろうが、考えてみれば、いずれの方もつい五年前までは「Nothing」だった。

 それが「Something」になり得たのは、言うまでもなく、小泉首相が彼らを急速に取り立てたからだ。安倍氏については、官房副長官→幹事長→幹事長代理→官房長官と意図的に経験を積ませ実質上の後継者とした。麻生氏は、01年の総裁選でほとんど票が取れなかったにもかかわらず、政調会長→総務大臣 →外務大臣と重用された。谷垣氏とて昔から自民党の「将来のホープ」と期待されてはいたが、存在感が出てきたのは、国家公安委員長→財務大臣と重要ポストに抜擢されたからだ。

 こんな急造りの「促成栽培」のような人たちばかりで総裁選を争わなければならないほど、自民党には人材が払底しているのだろうか。正直、私が自民党政権(橋本内閣)の政治担当・首相秘書官を務めていた時(96年1月~98年7月)、国政の重要課題で、このお三方と仕事をさせていただいたことはない。

 安倍氏は当時、当選二回の駆け出し議員であったからやむを得ないが、私の唯一印象に残っていることは、ある日、森喜朗氏が官邸に来て、またかというように「今日も安倍が騒いでいるんだよなあ」と嘆いていたことだ。当時から安倍氏は、自民党文教部会で、教科書の歴史認識等について強硬意見を執拗に述べていたらしい。それ以外の思い出といえば、何回か他の仲良し若手議員(例えば、塩崎恭久氏、荒井広幸氏、石原伸晃氏ら)と他愛のない食事会、飲み会で一緒したくらいだ。

 麻生氏と谷垣氏については、それぞれ、橋本内閣で経済企画庁長官、科学技術庁長官として初入閣していただいたが、失礼ながら存在感は全くなかった。何かの問題で、総理と大臣との間で真剣な議論をしたという記憶もない。

 しかも、彼ら三氏が皆、二世、三世の世襲議員だという点も気になる。世襲議員が悪いと「レッテル貼り」をする気は更々ないが、「格差問題」が焦点になっている今日、その解決を至上命題の一つにした総裁選で、総理あるいは大臣を祖父や父に持つ特権階級の家(しかも豪邸)で温々と育ってきた御曹司に、一体、庶民の気持ちが理解できるというのだろうか。自民党が幅広い政党だというなら、一人ぐらい「庶民の味方」が候補者として出てきても良かった。

 ただ、そうは言っても、氏素性がどうあろうとも、問題は、この世界一の少子高齢社会の日本、その将来を救える改革ができるかどうかだ。それで次期政権の「真贋」が決まる。それにしては、「憲法改正」や「教育基本法の字面の改正」「共謀罪」等だけが重要課題では困る。それぞれ議論するのは良いが、世論も期待し優先順位が高い「年金や医療制度改革」「雇用や地域の活性化」「税金の無駄遣いの是正」「財政再建」等に、具体論(マニフェスト)をもって総裁選を戦ってほしいものである。

最後に、今回の総裁選で話題にも上っていないのが、旧くて新しい「政治とカネ」の問題だ。時あたかも中央、地方問わず「談合」事件が摘発されている。小泉首相も一時「公共事業受注企業からの献金禁止」を自民党に指示したが、その後うやむやになった。
 いつの時代も改革を阻むのは「政官業の癒着」である。「構造改革路線」を継承するというなら、細川内閣で政党助成金を導入する代わりに国民に約束した「企業・団体献金の禁止」を完全履行するとともに、「官僚の天下りの禁止」にも踏み込まなければならない。

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